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公開ダメ出し&愚痴連発も 三谷幸喜氏&大泉洋の信頼関係「鎌倉殿の13人」源頼朝は気高さを生かした役

[ 2022年1月16日 11:00 ]

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の脚本を手掛ける三谷幸喜氏(左)と源頼朝役を演じる大泉洋
Photo By 提供写真

 希代のヒットメーカー・三谷幸喜氏(60)が脚本を手掛けるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)で、源氏の貴公子・源頼朝役を演じる俳優の大泉洋(48)。主人公・真田信繁(幸村)の兄・真田信之(信幸)役を演じた2016年「真田丸」に続く三谷大河のキーパーソンとなる。昨年大みそかの「第72回NHK紅白歌合戦」でゲスト審査員を務めた三谷氏が司会の大泉に“公開生ダメ出し”をしたかと思えば、大泉も三谷氏への“愚痴”を連発。2人の掛け合いの裏には、揺るぎない信頼関係がある。

 俳優の小栗旬が主演を務める大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は04年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 大泉はフジテレビ「黒井戸殺し」、映画「清須会議」、20年7~8月に東京・PARCO劇場で上演され、コロナ禍による中止が相次いだ後、主要劇場初の有観客公演となった新作舞台「大地 Social Distancing Version」など三谷組の常連。

 20年11月のキャスト発表時、「『真田丸』では最後まで生き残る役だったのはうれしかったでのすが、三谷さんがどんどん信幸の面白いシーンを書いてしまって『信濃の獅子』と言われた信幸のイメージが壊れるのではないかと冷や冷やしたのを覚えております。しかし、その心配は今回もありまして(笑)面白い源頼朝って想像つかないので、どうなってしまうのか、はたまた三谷作品で初めて一切笑いなく演じるのか今から楽しみなような不安なような複雑な気持ちであります(笑)」とコメントしたが、杞憂には終わらなかった。

 「鎌倉殿の13人」初回。頼朝と北条政子(小池栄子)の初対面シーンは、さながらコント。追手から逃げる際の頼朝の女装&化粧など、視聴者の爆笑をさらった。

 大泉は頼朝と政子の初対面シーンを収録直後、「頼朝さんとしては『とてもユニークな女性に出会ったな』という印象なんでしょうかね。今回撮った2つのシーンっていうのは、どちらも面白いシーン、割と面白めだったものですから、頼朝さんとしては『何かちょっと変わった女性が目の前に現れたな』っていう印象なんでしょうかね。大泉洋としましては、大河に出たのか、(NHKのコント番組)『LIFE!』に出たのか、イマイチちょっと分からないなっていう。ひょっとして、これ『LIFE!』かな?っていう。どこかで内村(光良)さんとか、ムロ(ツヨシ)君とかが出てきそうな。あとね、頼朝と政子っていう歴史上のこの2人の出会いのシーンを『面白くする必要があるんでしょうか?』って、あらためて三谷さんに問いたいですけどね。今日の最後のシーンを撮っている間に、小栗君がやってきて『何やってるんですか?』って怒ってましたからね。『いや、これはあの…』みたいな。なんで我々が主演に怒られないといけないんだっていう。私たちは台本の通り、やっているわけだから。本当にね、三谷さんにはこれ以上、頼朝を面白くするのはやめてほしいと思いますね。すみませんね、ちょっと愚痴が多くなってますけど。三谷さんに送ってほしいな、このコメントを」(番組公式ツイッターの音声コメント)と漏らした。

 紅白のゲスト審査員を務めた三谷氏はKAT―TUNの歌唱後に感想を聞かれ「いや、もうね、圧倒されました」と絶賛。「でも、大泉さんもね、意外にいいですよ」と続けると、司会の大泉は「僕、歌っていませんから」と不思議そうな顔。三谷氏の真意は「いやいや、司会、うまい」だったが「ただ、あの『鎌倉殿の13人』の第1話の最後の台詞が、ちょっと僕のイメージと…」と注文。大泉も「いいんです。そんなダメ出し、今しないでください」とタジタジになっていた。

 三谷氏が大泉の演技に注文をつけたのは初回ラスト、政子から「姫、いってらっしゃませ」と声を掛けられた頼朝の「はい」。甲高い裏声の「はい」も爆笑ポイントの1つとなった。

 昨年12月のオンライン会見。大泉は「どう言えばいいのか、現場でも考えはしたんですが、どうやら私の決断が間違っていたみたいで…。三谷さんからは『あの“はい”はどうなんだ』『他に言い方があるんじゃないか』と若干の疑問符をつけられたというか」と切り出し、報道陣の笑いを誘った。

 チーフ演出は連続テレビ小説「あまちゃん」「エール」やコント番組「サラリーマンNEO」などの吉田照幸監督。「非常にコメディーがお得意な方。割と一発OKの監督さんですが、ちょっと面白いシーンになった途端、こだわって一発OKが出なくなりますよね。その吉田さんがOKを出したわけですから。三谷さんが台本に『薄っすら化粧をしている』と書いているわけですから、怒る資格あります?どう考えてもおかしいじゃないですか。言われる筋合いはないと思うんですよね」。小栗が「ほっぺたを赤くすると『ハットリくん』みたいになるんですよね」と合いの手を挟み、笑いを増幅した。

 “仲良くケンカしな”の「トムとジェリー」のようだが、今月1日午前0時台にNHKラジオ第1「ラジオ深夜便」に登場した三谷氏は照れながらの大泉への信頼を明かした。

 「今までの頼朝像となると難しい話なんですけども、まず言えるのは今までとは全く違う大泉洋が見られるのは確か。気恥ずかしくて言いたくないんですが、僕は何となく彼の中に品の良さ、醸し出される雅な感じ、気高さみたいなものを感じていて、頼朝はそれを最大限生かした役ですね。周りの御家人たちが荒くれ者だらけの中に大泉洋の頼朝がスッと現れると、そこだけ空気が変わるというか、いいにおいがするような感じがあるんですよ。なおかつ、男の色気もあって『あぁ、政子はこういう人だから惚れたんだろうな』という説得力のある物腰や目つきもしますし。かと言って、何を考えているか分からない部分もたくさんあって、ミステリアス。凄く多面的な頼朝になっていますね」

 三谷氏が旗揚げした劇団「東京サンシャインボーイズ」からの盟友・小林隆は、豊臣家の家臣・片桐且元役を演じた「真田丸」のインタビューで「やはり、劇団の主宰者とメンバーという関係ですね。彼は決して我々のことを友達とは言いません。エッセー(朝日新聞夕刊『三谷幸喜のありふれた生活』)では、我々劇団員と大泉(洋)君だけ呼び捨て。ちょっと誇らしいところではあります。なぜ、そこに大泉君が入ってくるのかは分かりませんけど」。三谷氏と大泉の関係性がのみ込める。

 頼朝と出会わなければ、歴史の表舞台に駆り出されることもなかった義時。三谷氏が描く新しい頼朝&大泉に期待は高まる。

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