関本賢太郎氏 近本の「走力」が中日最大限のプレー上回った 攻撃のバリエーション増えた重盗

[ 2022年7月18日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3―1中日 ( 2022年7月17日    甲子園 )

関本賢太郎氏
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 【関本賢太郎 視点】阪神は初回から積極的な攻撃が光った。1点を勝ち越し、なおも無死一、三塁。続く糸原の打席で、併殺でもいいからもう1点がほしかったが、取れなかった。ここでベンチは作戦で1点をもぎ取る攻撃を選択した。重盗だ。

 1死一、三塁で三塁走者は俊足の近本。中日は捕手が二塁に送球すれば近本が本塁に突入してくるであろうことを想定しており、捕手・木下は三塁走者を一度、目で制して足を止め、二塁送球した。守備側からすれば、最大限のプレーだった。それを近本の走力が上回った。初回から思い切ってスタートを切らせたベンチの采配にも、勇気を感じた。

 次戦以降への布石にもなる。今後、同じ状況になった際には、対戦チームが簡単に一塁走者を刺しにいくことができなくなるため、一塁走者の二盗の成功確率が上がり、内野ゴロでも1点が取れる二、三塁の状況をつくりやすくなる。阪神としては、攻撃のバリエーションが一つ増えたということだ。

 加えて、この日は陽川の守備にも賛辞を贈りたい。8回無死一、二塁で三塁封殺にしたバント処理と、9回無死一塁から併殺を完成させたキャッチング。本当に捕りにくいバウンドを、うまくキャッチした。記録に表れないエラーとはよく言うが、記録に表れないファインプレーだった。(スポニチ本紙評論家)

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2022年7月18日のニュース