二松学舎大付・親富祖、先制弾含む3安打 沖縄生まれウチナンチューがコールド勝ち貢献

[ 2022年7月18日 05:00 ]

第104回全国高校野球選手権東東京大会・3回戦   二松学舎大付9ー2立教池袋 ( 2022年7月17日    神宮 )

<二松学舎大付・立教池袋>3回、先制ソロを放つ親富祖(撮影・藤山 由理)
Photo By スポニチ

 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場を懸けた地方大会は17日、各地で322試合が行われた。東東京大会では、今春選抜出場の二松学舎大付が、沖縄県出身の親富祖凪人(おやふそ・なぎと)外野手(3年)の先制の決勝ソロを含む3安打1打点の活躍など、立教池袋を8回コールドで下し初戦突破した。

 迷いなく振り切った。3回2死走者なし。親富祖は「何としても塁に出る」と1番打者の仕事に集中した。初球の直球をジャストミート。鋭い打球は先制のソロとなって左翼席に飛び込んだ。

 「何とか塁に出ようと思って。真っすぐが甘く入ったので、振ったら入ったという感じ。ヒットの延長線みたいな感じです」

 5回には同じ2死走者なしから左前打。続く2番・柴田壮太朗(2年)の中前打で、2点目のホームを踏んだ。3点を加えた6回は中前打し3安打。13安打9得点でのコールド勝ちに貢献した。野手で昨夏の甲子園を経験したのは、8回コールドを決める左中間2ランを放った瀬谷大夢(3年)と2人。「みんな緊張すると思うので、自分と瀬谷がチームを勢いづけられるようにと話していた」と笑った。

 沖縄県浦添市出身。小6まで沖縄で育った。親の転勤で神奈川県藤沢市に引っ越し、滝の沢中では湘南クラブボーイズに入り野球を続けた。全国に700人程度で、ほぼ沖縄在住の珍しい姓「親富祖」。好きな食べ物は「タコライス」というウチナンチューが、沖縄で興南が甲子園出場一番乗りを決めたこの日、東京で躍動した。

 心に刻んだプレーがある。選抜の切符が懸かった昨秋の東京大会決勝の国学院久我山戦。2点リードの9回2死満塁で、右翼フェンス際で倒れこみフライを捕った。だが、一度グラブに入ったボールが飛び出し、フェンスに当たって再度グラブに入ったと「ノーキャッチ」判定。走者一掃のサヨナラ負けとなった。「一球の重みを強く感じた。甘さがなくなった」。選抜出場は果たしたが、原点に立ち返るプレーだ。

 6回に2―2に追い付かれ苦しみながらも初戦突破。「勝利に貢献できるのはうれしい。必要とされるような人になっていきたい」。沖縄育ちのトップバッター親富祖が、春に続く聖地へ、打線を引っ張る。(佐藤 昂気)

 ◇親富祖 凪人(おやふそ・なぎと)2004年(平16)4月3日生まれ、沖縄県浦添市出身の18歳。前田小4年から「前田ホークス」で野球を始め、中学では「湘南クラブボーイズ」に所属。二松学舎大付では1年の秋からベンチ入り。50メートル5秒9。高校通算11本塁打。1メートル68、70キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

2022年7月18日のニュース