広島・堂林で快挙!72年ぶり同一カード3試合連続満塁弾 代打逆転「みんながつないでくれたチャンス」

[ 2022年7月18日 04:45 ]

セ・リーグ   広島10-5巨人 ( 2022年7月17日    東京D )

<巨・広>4回、逆転満塁弾を放ちナインとハイタッチを交わす堂林(撮影・河野 光希)
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 広島・堂林翔太内野手(30)が17日の巨人戦で、4回に決勝の代打逆転満塁本塁打を放った。チームの3試合連続満塁弾は91年以来31年ぶりで、プロ野球史上4度目。同一カードでの達成は50年中日以来72年ぶり2度目の快挙となった。3点差以上の逆転勝利は今季初。東京ドームでは18年8月以来4年ぶりの同一カード3連勝となり、2位を死守した。

 代打で研ぎ澄まされる集中力が「3戦連続満弾」を引き起こした。2―4の4回1死満塁で投手・野村の代打として堂林が送られた。カウント1―2からの鍬原のカットボールは真ん中付近へ。低い弾道で左中間席へ向かった強烈な打球を見届けながら、柵越えを確信して右拳を握った。

 「とにかくみんながつないでくれたチャンス。感触がすごく良かった。入ると思った」

 快挙のカギは「代打」にある。今季の代打出場は21度目で、今季の5本塁打中3発を代打で放っているのだ。今回の満弾を含む2本が決勝弾。残りの1本も一時勝ち越しとなる一発だった。「(代打で)勝負強いとは思っていない。今日は追い込まれていたので来た球を(狙うだけだった)」。1打席目にかける思いは、間違いなく好影響を与えている。

 好条件は一つだけではなかった。直前で投手が左腕・高橋から右腕・鍬原に交代した。今季は試合前時点で対左投手を打率・188と苦手とする一方で、対右を同・275と得意としている。加えて、朝山打撃コーチは「大きい変化球が苦手かなという感じで、曲がりが小さい直球系、カットボール系を仕留めている」と言及する。満弾はカットボールを捉えたもの。得意とする条件がいくつも重なって快挙が生まれた。

 忘れられない光景がある。出場28試合のみと苦しんだ19年のこと。シーズン最終盤の9月にサヨナラ打を放ってお立ち台に立つと、観客席で背番号7のユニホームを手に涙を流すファンの姿が見えた。当時は1、2軍を行き来する日々で「忘れていたものを思い出した」。今回も満弾直後に自身のグッズを手にしたファンが左翼席で涙を流していた。「先発で出ているときに結果が出ていない。少ないチャンスだけど、自分の役割を理解しながらやっていきたい」と先発奪取へファンの声援を力に変えている。

 巨人相手に今季初の同一カード3連勝を導く満弾を放ったのは、磯村、長野、堂林。いずれもベンチを温めていた選手が逆襲への機運を高めている。(河合 洋介)

 ○…堂林(広)が4回、代打で逆転満塁本塁打。15日磯村、16日長野に続く巨人戦で3戦連続。チーム3試合連続満塁弾は91年の広島以来31年ぶり4度目のプロ野球タイ記録。2度の達成は広島が初めてで、同一カードでは50年中日が広島戦で記録して以来72年ぶり2度目。

 ○…堂林の代打満塁弾はプロ初。巨人戦で代打逆転満塁弾は52年服部受弘(名古屋)、92年青山道雄(大洋)、14年関本賢太郎(神)に次いで4人目。7回には中村健も代打でソロ。広島でゲーム2本の代打本塁打は08年5月25日ロッテ戦の4回嶋重宣3ラン、8回緒方孝市2ラン以来14年ぶり。

 ▼広島佐々岡監督(一発攻勢は)うちらしくない感じではあるけどね。(今季一度も逆転勝利のなかった)4点差になって“また書かれるんか…”と思いながらも逆転できた。

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2022年7月18日のニュース