西武の道産子・川越V撃「道みんの日」に地元・札幌Dで憧れビッグボスの“連勝”止め「不思議」

[ 2022年7月18日 05:30 ]

パ・リーグ   西武4―3日本ハム ( 2022年7月17日    札幌D )

<日・西>スタンドのファンに手を振る川越(撮影・高橋茂夫)
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 6回2死一、二塁。2点差を追いつき、押せ押せの場面で西武・川越の気持ちも乗った。「走者を還すことだけに集中した」と無心で振ったバットが河野の初球144キロ直球を捉えた。右翼フェンス直撃の勝ち越し2点二塁打。名字は「川越」だが埼玉出身ではない。北海学園大まで北の大地で過ごした生粋の道産子が、7月17日の「北海道みんなの日=略称・道みんの日」に故郷で輝いた。

 「詰まったけど角度が良かった。家族も見に来ていたのでうれしい」という決勝打。実家は札幌市豊平区で、札幌ドームまで車で約15分の距離だ。自ら「ビッグボス世代」を名乗る。野球少年だった中学時代、球場に何度も足を運び、日本ハムで現役だった新庄監督の雄姿を見て育った。その憧れの人が率いるチームの連勝を7で止めて、「不思議ですよね」と感慨深げだ。

 チームはこの日も新人左腕・佐藤と2軍2選手の新型コロナ感染が判明。遠征先のデーゲームのため、入れ替え選手を呼べずに1人少ないベンチ入り25人で戦った。川越も7日のオリックス戦以来8試合ぶりのスタメン。辻監督が「きっかけをつかめば良くなる」と復調を期待して送り出し、起用が的中した。

 本拠地では登場曲として、さだまさしの「北の国からのメインテーマ」も使用する。チームは昨季、42年ぶりの最下位。今季も4月には借金4の5位まで落ちた。そこから驚異のV字回復。刈り上げた短髪をパンチパーマにする髪形で気合十分の29歳がチームの危機を救い、ゲーム差0・5の首位ソフトバンクをピタリ追走した。(君島 圭介)

 ◇川越 誠司(かわごえ・せいじ)1993年(平5)6月30日生まれ、札幌市豊平区出身の29歳。小2で野球を始め、中学時代は札幌豊平東シニアでプレー。北海では3年春夏とも甲子園に出場し、春は本塁打も放ち8強。北海学園大から15年ドラフト2位で指名され入団。1メートル74、80キロ。左投げ左打ち。

 ▽道みんの日(北海道みんなの日) 17年に北海道の歴史や、自然・風土などの価値を見つめ直し、豊かな北海道を築き上げることを期する日として毎年7月17日に制定された。北海道の名付け親とされる松浦武四郎が1869年7月17日に「北加伊道」という名前を提案したとされる。道立の博物館、美術館、科学館などは無料開放される。

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