ウル虎締め4位浮上!阪神・佐藤輝が不振脱出の逆転決勝打「ファンの皆さんと一体感、最高です」

[ 2022年7月18日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3-1中日 ( 2022年7月17日    甲子園 )

<神・中>リリーフカーに乗りガッツポーズを見せる佐藤輝(代表撮影)
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 阪神は17日の中日戦に3―1で競り勝ち、最大13・5ゲーム差あった巨人を抜いて4位に浮上した。1点劣勢の初回無死満塁で、4番・佐藤輝明内野手(23)が右翼へ決勝の2点適時打。試合前まで15打席無安打、7月の月間打率・175と苦しんでいた主砲が今季6度目の猛打賞と躍動し、6年ぶり2度目の「ウル虎の夏」シリーズ勝ち越しを決めた。前半戦は残り6試合。借金3から完済へ向け、ラストスパートをかける。

 長いトンネルを抜け出す佐藤輝の一打が、6年ぶり2度目の“ウル虎の夏”勝ち越しを呼び込んだ。歴代の要素を詰め込んだ10周年記念のウル虎ユニホームで埋め尽くされたスタンド。大器はお立ち台で粋なコメントを発し、今季最多の4万2601人を沸かせた。

 「このユニホームをファンの皆さんと一緒に着てプレーできて、とても一体感があった。最後勝てて締めくくれて、最高です!」

 これ以上ない好機をものにした。1点を追う初回無死満塁。2ボール1ストライクから柳が内角低めに投じたカーブをすくい上げて右翼前へ運ぶ先制の逆転打だ。「ここ最近打てていなかった。満塁で回ってきたので、何としても打とうと」。8日のヤクルト戦以来、6戦25打席ぶりのタイムリーは決勝打となった。

 すぐさま足でも魅せる。なおも1死一、三塁の場面。ロハスへの2球目で二盗を企図し、三走・近本との重盗を成功させて貴重な追加点を呼び込んだ。3回1死でも右前打、5回2死では右翼線へリーグトップを走る26本目の二塁打。好投手の柳から3安打を記録して6月24日の中日戦以来となる6度目の猛打賞と躍動した。

 「いろいろ練習する中でつかんだものもあった。練習で出たものが試合に出る。そういう意味では練習からいい打球が飛んでいた」

 試合前まで3試合、15打席無安打で、7月の月間打率も・175。湿り気を帯びたバットを好転させるべく、首脳陣にも乗せられる形で行動に出た。強い日差しが差す夏空の下、チームスローガンTシャツの袖を切り落としたノースリーブ姿で、中野や糸原、島田らとともに早出特打に参加。藤井康1、2軍巡回打撃コーチのアドバイスに耳を傾け、試行錯誤の末につかんだ手応えがあった。

 「“こうじゃないか”、“ああじゃないか”といろいろ試しながら。いい結果になったんでよかったなと」

 手にした好感触を生かせば、6月30日のDeNA戦で放った14号を最後に、今季最長の12戦遠ざかるアーチが飛び出すのも時間の問題だろう。チームは再び借金を3に減らした。前半戦残り6試合での返済を目指し、背番号8は「明日からも全部勝つつもりで、チーム一丸となって戦う」と誓った。(阪井 日向)

 ▼阪神・井上ヘッドコーチ 他の連中は、早く来て打撃練習をしているわけだから。今日、(佐藤)輝明がヒョコっと来たのは物凄く珍しいかもしれないけど、スーパースターになる素質があっても普通の選手で終わってしまうよと、コンコンと言ったので、気付いてもらえたらいいかなと思う。(早出は)自らの意思か、こっちが促したからか、本人に聞いて。

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