衝撃の156キロは「多分バグ…」 盛岡中央の斎藤響介が1安打完封 スカウト「もっとスピード出る」

[ 2022年7月18日 21:13 ]

第104回全国高校野球選手権岩手大会   盛岡中央4-0花巻南 ( 2022年7月18日    しんきん森山スタジアム )

夢のプロ入りへ猛アピールした斎藤(撮影・柳内 遼平)
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場を懸けた地方大会は18日、各地で235試合が行われた。岩手大会では盛岡中央のプロ注目の右腕、斎藤響介投手(3年)が花巻南を相手に先発し、自己最速を2キロも更新する152キロをマークするなど1安打完封勝利。またも東北から怪物投手の誕生を予感させた。

 日の出前の午前4時。きょうは地面をたたく雨音が聞こえない。斎藤は自宅の枕元で鳴る目覚ましのアラームを止めた。雨天順延が3度続くなど、1回戦の先発から中5日も開き「雨で流れたおかげで準備ができた」と万全だった。

 菊池雄星(ブルージェイズ)、大谷翔平(エンゼルス)、佐々木朗希(ロッテ)に続き、またしても東北に剛腕出現。力感のないフォームから繰り出す直球に、決め球のフォークなど4種類の変化球を織り交ぜて1安打完封勝利。7三振を奪い「夏の大会で9回を投げきったことがうれしい」と言葉がはずんだ。3回を完全投球だった初戦と合わせて12回を1安打無失点。まさに「無双」状態だ。

 スタンドの誰もがスピードガンにくぎ付け。2回に自己最速を1キロ更新する151キロを投じ、3回先頭の5球目には高めボール球で152キロ。観客のどよめきで球速表示を振り返り「抑える気持ちで思い切り投げたら(最速更新に)いったのでよかった」。6球団11人のスカウトが視察し、ロッテの榎康弘スカウト部長は「あの(細い)体で力強い直球を投げられることは魅力。出力が上がればもっとスピードが出る」と将来性にも期待した。

 最後の夏に華麗な復活。春は県大会1回戦の久慈東戦で8回9失点を喫して8回コールド負け。試合後は「自分のせいで負けた」と号泣。コロナ禍による調整不足が不調の主な原因だった。夏はコンディション万全で挑み、テイクバックの際に背中側にかかっていた重心を修正し、昨夏に149キロを計測した直球はさらに走った。

 9回1死から右飛に仕留めた2球目は球場表示で156キロを計測。視察したスカウトの計測では144キロだった一球を「多分バグっていうか…。違うと思う」と笑った。99年夏以来、2度目の甲子園を狙う男。次は正真正銘の156キロでバズって見せる。(柳内 遼平) 

 ◇斎藤 響介(さいとう・きょうすけ)2004年(平16)11月18日生まれ、岩手県滝沢市出身の17歳。小3から竹の子スポーツ少年団で野球を始め、滝沢中では軟式野球部に所属。盛岡中央では1年夏からベンチ入りし、2年夏から背番号1。憧れの選手はオリックス・山本。50メートル走6秒5。遠投105メートル。1メートル77、72キロ。右投げ右打ち。

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