ヤクルト・木沢 母校・慶大が早大に勝った日に早大出身・早川との投げ合い制した

[ 2022年5月29日 05:30 ]

交流戦   ヤクルト11―4楽天 ( 2022年5月28日    楽天生命 )

<楽・ヤ>4回途中から救援し勝利投手となった木沢(撮影・村上 大輔)
Photo By スポニチ

 悔し涙を流した慶大4年秋の早慶戦から566日。ヤクルト・木沢は、ともにエースだった早川と同じマウンドに立った。プロ2年目で、初めて公式戦の同じ試合で登板。「昨年、彼の活躍は見ていた。やっと同じマウンドに立つところまでは来たのかなと」。今回笑ったのは、木沢だった。

 0―3の4回無死一、二塁、2番手として登板した。最速153キロのシュートを軸にピンチを脱し、直後に打線が打者11人7得点の猛攻で逆転。5回も無失点で、2イニングを1安打無失点に抑え3勝目を手にした。慶大から20年ドラフト1位入団も、昨季は1軍登板なし。早大から同じく1位で楽天入りした早川は、1年目から9勝を挙げた。20年11月8日、優勝を懸けた早慶戦2回戦では逆転負けし、早川が主将だった早大に優勝を譲るなど、悔しい思いを喫し続けた宿敵だった。

 慶大時代の教えは今でも生きている。当時、部員全員が野球ノートを提出。「1年生の頃は自分の考えていることを人に見られるのが嫌だった」と気が進まなかった。だが、当時の林卓史助監督に「何を考えているんだ。1年生で技術的にもまだまだ。目に留まらないといけないのに、考え方が甘い」と指摘され、自分の考えを整理し相手に伝える大切さを痛感。プロ入り後、取材に丁寧に答えるのも、技術向上の一環と捉えている。

 2年目の今季は救援の一角として防御率2・19と台頭。「(早川は)僕らの世代を代表するピッチャー。いつか追いつけるように頑張りたい」。役目こそ違うが、交流戦2カード連続の勝ち越しと今季最多の貯金12に貢献。チームは交流戦単独首位に浮上した。(青森 正宣)

続きを表示

2022年5月29日のニュース