ロッテ・朗希のヒーローインタビューで見えた進化 完全試合も通過点 新人研修会講師の石井大貴氏が語る

[ 2022年4月12日 05:30 ]

ヒーローインタビューに答える佐々木朗
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 プロ野球ロッテの佐々木朗希投手(20)が記録ずくめの完全試合を達成してから一夜明けた11日、球団の新人研修の講師がヒーローインタビューから感じた成長について語った。教育事業を手がける「LOCON」代表取締役で金沢工大大学院准教授の石井大貴氏(39)。佐々木朗が1年目の20年1月や年末に、プロフェッショナルやリーダーシップに関する講義を行った。

 着目したのは、大観衆の視線を独り占めにした佐々木朗が「次もいいピッチングができるように引き続き頑張ります」と締めくくった場面。石井氏は「彼にとって今は通過点に過ぎないんだ、と。視線が記録に向いていない。やはり尋常じゃない選手だと思った瞬間でした」。大記録の後で飛び出したシンプルな言葉からも令和の怪物ぶりが感じられたとした。

 講義では「アスリートの価値はプレーと言動で決まる。あなたが一番活躍した試合後のヒーローインタビューは日本中が見ているんだから、気合を入れて臨んでほしい」と伝えた。思い描いた光景は2年の時を経て現実となった。「当時は言葉を使ったコミュニケーションが得意でないと言っていたが、技術とともに言葉も磨いてきた成果だったのでは」とお立ち台での姿を振り返った。

 「自分のことをよく知っていて、その強みを伸ばせる選手」と評する。完全試合の投球は得意のストレートとフォークで約9割を占めた。

 このスタイルは現代を生きる人々へのヒントにもなるという。「弱みを克服することに重点を置くより、自分の個性を理解して、強みを磨いていく。そしてチームや組織に生かしていく。この多様性が求められる時代において、社会人も一緒。得意分野でどんどん力を発揮していく大切さを、佐々木選手は教えてくれたと思う」と力を込めた。

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