【スポニチスカウト部(8)】セガサミー・草海光貴 抜群制球力で試合支配 野手での3年間もプラスに

[ 2022年4月12日 06:30 ]

セガサミー・草海光貴
Photo By スポニチ

 今秋のドラフト候補選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第8回はセガサミーの最速147キロ右腕・草海光貴投手(23)。抜群の制球力で試合をつくる能力が高い右腕は、球威アップでドラフト指名を狙う。

 社会人野球最高峰の舞台・都市対抗で「小さな巨人」が輝きを放った。昨年12月8日に東京ドームで行われた準決勝。Honda熊本戦に先発した草海は、8回3安打1失点で8三振を奪った。試合には敗れ、初めての決勝進出は逃したが、打者が「どこを狙っているかは目星がつく」という洞察力が光った。

 直近の2年間、1メートル70の右腕は社会人でトップクラスの実績を残している。2020年の都市対抗は3試合で16回を投げて防御率0・56。21年大会は3試合、23回で防御率0・39とさらに成績を上げた。140キロ台前半の直球、横に揺さぶるスライダーとツーシーム、落差のあるチェンジアップで打者を幻惑。遊撃手として3年間プレーした経験も、投手としての財産だ。

 チームと自身の岐路となった決断だった。上田西(長野)では2年夏に投手として甲子園に出場した。セガサミーでは50メートル6秒1、遠投110メートルの身体能力を評価されて1年目に内野手に転向。17、18年の都市対抗に出場するなど順調に階段を上ったが、19年に都市対抗出場を逃すと「自分が一番チームに貢献できるポジション」と投手再転向を直訴した。野手としての感性も備わった草海がエースの座に君臨したチームは、20年に都市対抗4強。21年は日本選手権で8強、都市対抗で4強と急浮上した。

 高卒で加わったセガサミーで迎える6年目は、大卒2年目と同じ年齢。プロ入りが懸かるシーズンで「常時140キロ台中盤が出る投手になりたい。そこまでいかないと(プロへの道は)開けてこない」とレベルアップを誓う。ウエートトレーニングの成果も出て今年、最速は1キロアップして147キロに。七色の変化球に力強いストレートが加わった時、夢は現実になる。

 ≪エース支える須田が職人技で好リード≫昨年の社会人ベストナインに選出されたセガサミーの須田凌平捕手(29)は、卓越した捕球技術でエースの草海を支える。捕球する際にミットを巧みに動かして球審に「ストライク!」とコールさせる「フレーミング」技術はトップクラス。社会人ベストナインの選出理由にも「フレーミングのうまさ」とあったほどだ。制球力を武器にする草海は「須田さんのフレーミングには助けられています。社会人で1位じゃないですか」と絶賛。須田は自慢の職人芸を「捕手の楽しいところ、見せどころ。試合を左右する一つの要因だと思います」と語った。

 ☆球歴 小1で野球を始める。更北中では長野南シニアに所属。上田西では2年夏に甲子園出場し、初戦の宮崎日大戦で完封勝利を挙げた。高校通算12本塁打。

 ☆球種 スライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップ、ツーシーム。

 ☆趣味 ゴルフ。

 ☆好きな曲 ビーグルクルーの「My HERO」。

 ☆指導者 セガサミーでは元ロッテの初芝清前監督、元広島の西田真二監督から指導を受ける。

続きを表示

この記事のフォト

2022年4月12日のニュース