帯広農・佐藤大「安定の118キロ」と言われて開き直り 141球完投で39年ぶり甲子園切符たぐり寄せた

[ 2021年7月25日 16:12 ]

全国高校野球選手権北北海道大会 決勝   帯広農業19―2帯広大谷 ( 2021年7月25日    旭川スタルヒン球場 )

<帯広農・帯広大谷>力投する先発の帯広農・佐藤大(撮影・竹内敦子)
Photo By スポニチ

 帯広農のエース、佐藤大海(2年)が141球完投で39年ぶりの甲子園切符をたぐり寄せた。10安打を許しながらも粘りの投球で、尻上がりに調子を上げた。「相手は強力打線。通用するか心配だったけれど、制球力を生かして抑えられた」と胸を張った。

 史上3度目となる決勝戦の十勝対決。先発はこの日朝、前田康晴監督(45)から受け取った野球ノートで知らされた。「春先から投げてきたので、調子が良くても、悪くても、きょうはお前で行く」という趣旨の文言に奮い立った。

 だが、春先に120キロ後半を記録していた直球のスピードが、暑さと疲れで思うように出ない。今大会はほとんどが120キロ前後。ベンチで「安定の118キロ」と言われて、逆に開き直った。

 丁寧にコーナーを突きながら、カーブ、スライダー、フォークも駆使した。「スピードが出ずに心が折れそうになったこともあるけど、堅い守りを信じて投げた。しっかりコーナーに投げれば、通用することが分かった」と新境地を切り開いた。

 バットでも存在感を示した。先発全員安打、全員得点、全員打点を挙げた打線に乗り遅れることなく、5打数4安打2打点。「打撃は期待されていないと思うが、チームがつないでくれたので打つだけだった」と笑顔を見せた。

 昨夏の甲子園交流試合はスタンドから見つめ、高崎健康福祉大高崎に勝った先輩たちの姿に感動した。「弱いと言われていたけれど、勝ってすごいと思った。夢の舞台で投げるのが楽しみ。チーム一丸となって勝ちたい」。再び甲子園“帯農旋風”を巻き起こす。

続きを表示

2021年7月25日のニュース