大谷、二刀流開幕決定!マドン監督明言 25日「4番・DH」、先発は27日第3戦が最有力

[ 2020年7月16日 02:30 ]

エンゼルス・大谷
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 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が開幕を二刀流で迎えることが正式決定した。14日(日本時間15日)、ジョー・マドン監督(66)が明言した。26日(同27日午前5時10分開始)の開幕3戦目、敵地アスレチックス戦先発が最有力で、打者では24日(同25日午前11時10分開始)の開幕戦に「4番・DH」で出場見込み。順調な仕上がり具合は、往年の大ヒット映画「ロッキー4」に登場する最大の強敵イワン・ドラゴに例えられた。

 ストイックに、かつ着実に。日に日に研ぎ澄まされていく大谷の姿に、マドン監督が「(先発)ローテーションの一員だ」と言い切った。

 紅白戦登板から一夜明けた大谷はトレーナーの治療を受け、有酸素運動などに励んだ。過去2試合で打者25人に12四死球。制球に課題を残すものの、パワフルな右腕の振りが戻ってきた。ミッキー・キャロウェー投手コーチによれば、13日の球速は94~96マイル(約151~154キロ)。開幕の先発枠入りに、正式なゴーサインが出た。

 18年10月に右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を、昨年9月には左膝の手術を受けた大谷。体調面が二刀流成功の鍵を握る中、キャロウェー投手コーチは「野球界で一番難しいことをしているが、完全無欠のルーティンを日々こなしている」と太鼓判を押した。昨季までメッツの監督を務めており、就任時にビリー・エプラーGMから「翔平のルーティンは“イワン・ドラゴ”みたいだ。最新式で細かく組織化されている」と説明を受けた。その言葉を実感している。

 「ロッキー4」で主人公ロッキー・バルボアが原始的なトレーニングを繰り返す中、ソ連出身のドラゴは最新設備で科学者とデータを駆使しながら練習を積んだ。大谷も同様に細かくプログラムされた投打の調整を継続。日本ハム時代、大リーグ公式サイトの取材に「(フィラデルフィアにある)ロッキー像の写真を撮りたい」と話したことがあるが、ドラゴの大柄で筋骨隆々の体躯(たいく)こそ現在の姿と重なる。

 マドン監督は既に「投げた日の翌日がオフとなるのが最善」と説明。24日(日本時間25日)の開幕・アスレチックス戦は「4番・DH」で出場し、日曜日の26日(同27日)の開幕3戦目の先発が最有力だ。ア軍には投手として18年に2試合で13イニングを防御率2・07。打者としては過去2年で打率・310、対戦球団別で最多タイの6本塁打、同最多の19打点と相性が良い。開幕カード以降も投手では「サンデー大谷」、打者では4番を務めることが見込まれている。

 メ軍で2年連続サイ・ヤング賞のデグロムらを見てきたキャロウェー投手コーチは「今まで見た中でも最高の投げ方の一つ」と絶賛。2年ぶりに二刀流でスポットライトを浴びる米3年目、「ドラゴ大谷」が腕をぶしている。(奥田秀樹通信員)

 ▽ロッキー 1976年に1作目が公開された、米国の人気ボクシング映画シリーズ。脚本、監督を務めるシルベスター・スタローンが主人公の無名ボクサーのロッキー・バルボアを演じる。1985年に公開された4作目「ロッキー4/炎の友情」はシリーズ最高のヒット作。ドルフ・ラングレン演じる旧ソ連の強敵イワン・ドラゴとの壮絶な戦いを描いた。最新技術を駆使したトレーニングを積み、端正な顔立ちと筋骨隆々の肉体のドラゴは、敵役ながら人気を集めた。

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