斎藤佑樹が信頼を得るために与えられる役割 1軍生き残りへの「道」となるか

[ 2019年3月21日 11:05 ]

スイングをアピールする日本ハム・斎藤佑
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 20日、マリナーズ―アスレチックスの日本開幕戦が東京ドームで行われた。残念ながら、イチローのバットから日米通算4368本目のヒットは生まれなかった。ただ、これほど国民にヒット1本を見たいと思わせる選手がいたか。改めてイチローの存在感を知らしめたのではないか。

 そのイチローの去就にも注目が集まる中で、3月29日に日米同時開幕を迎える。気になることの一つに、日本ハム・栗山英樹監督が明かさない斎藤佑樹の起用法がある。キャンプからの斎藤の実戦登板成績を振り返る。

 (1)2月11日、韓国・NC戦(練習試合)2回無安打無失点
 (2)同20日、楽天戦(練習試合)3回無安打無失点
 (3)3月9日、阪神戦(オープン戦)2回無安打無失点
 (4)同18日、アスレチックス戦(プレシーズンゲーム)2回1安打1失点。

 4試合いずれも先発で好投しながら、短い回でマウンドを降りた。最長でも3回。普通なら先発投手は開幕に向けて投球回数を伸ばしていくものだが、斎藤は一向に増えない。すぐに思い浮かぶのが、メジャーで昨季話題になった「オープナー」だ。救援投手が先発して1回を投げ、2番手は本来の先発投手がロングリリーフする戦法だが、斎藤の位置付けはあくまでも「先発」だ。投球回数も2~3回である。

 斎藤はここ3年でわずか1勝しかしていない。先発したのは16年3度、17年6度、18年2度。最長イニングは6回で1度しかなく、平均投球回数は5回にも満たない。4、5回になると打たれたり、四球で崩れるケースが目立つ。打者が一回りすると、思うようにいかなくなるのだ。打者を圧倒するような球威はなく、決め球と呼べる変化球もあるとは言いがたい。丹念にコースを突き、打者との駆け引きのうまさで抑えていく。ただ、回が増えるごとに危険信号がともるのも事実だ。

 崖っぷちで迎えるプロ9年目。「斎藤再生」への打開策がオープナーの変形版か。先発して短い回を抑える。試合を安定させ、2番手の投手に早めにバトンを渡す。相手打線の目先を変えることにもなり、シーズン終盤やポストシーズンでも行うスクランブル継投である。木田投手チーフコーチは斎藤の起用法について「プランは無数にある」と言う。

 斎藤は16年に中継ぎで起用されたが、球威で抑える投手ではない。本人は「与えられた位置で投げることが大事」と話すが、早実、早大でエースを務めてきた男は、やはり根っからの先発タイプだ。ただ、結果を残していない以上は、オープナー的な役割をこなして信頼を得るしかない。先発して2、3回をきっちり抑え、勝利に貢献する。もちろん、先発投手は5回以上投げなければ勝ち星はつかないが、信頼感が増せば投球回数も増えるかもしれない。それが、斎藤佑樹の「生きる道」である。(野球コラム・飯塚 荒太)

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