【関西大学野球の新星】京産大・山口直哉投手(済美)“ビッグ3”対戦は財産。走り続ける未来のエース

[ 2019年3月21日 10:00 ]

昨夏の甲子園で根尾、藤原、小園と対戦した経験は財産。京産大・山口が3年後のエースを見据え走り続ける
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 鉄腕の脳裏には、あの劇的なシーンが刻まれていた。京産大・山口直哉投手は、済美で出場した昨夏の甲子園の一番の思い出に大会史上初の逆転サヨナラ満塁弾で決着した一戦を挙げた。

 「やっぱり星稜戦ですね。大会が終わった後も学校で一番、話題になりました」

 初回に5失点し最大6点のビハインドを背負ったが、8回裏の8得点で逆転。9回に同点とされ、延長戦に突入した。酷暑の影響で足をつる選手が続出する中、184球で延長13回を完投。試合後に「勝ったというより、終わったという感じ」と話した表情も印象的だった。

 1メートル71、67キロと決して大きくない体の、どこにそんな力があったのか。山口はエースの責任感だという。

 「自分たちの代になった時、監督さんから『全試合完投』と言われました。今のままじゃダメなので、もっと練習しようと。自覚が出たから、投げられたんだと思います」

 昨年の夏、初めてリリーフで登板したのは準々決勝の報徳学園戦。しかも、最初の打者は5回1死一、三塁のピンチで小園海斗内野手(広島・ドラフト1位)だった。

 「(代わりに先発した)池内が頑張っていたので、絶対に抑えなアカンと思っていました。緊張はしなくて、注目選手とできるというのを楽しめました」

 空振り三振で切り抜け、8回の打席も一ゴロに抑えた。

 準決勝は大阪桐蔭と対戦し、根尾昂内野手(中日・ドラフト1位)に2安打、藤原恭大外野手(ロッテ・ドラフト1位)に1安打を許して敗れた。「雰囲気がすごかった。(レベルが)上の選手の実力がわかった」。昨年のドラフトで人気を集めた3選手全員と対戦したのは山口だけ。大阪桐蔭とは福井国体でも再戦して完投の末に敗れたが、経験は何よりの財産だ。

 大学野球は高校と違ってリーグ戦。全試合完投する必要はない。勝村法彦監督も前途有望な右腕をじっくりと育てる方針でいる。「相手を見るセンス、察知する能力に長けている。ゲームをつくれるのはわかっているので、小さくまとまってほしくないですね」。山口も「まずは体を大きくしてから、球の質、技術面を磨きたいと思います」と呼応する。勝村監督に言われた「ランニングはどれだけ抜かずにできるか。最後まできっちり走り切れ」という教えを守り「4年生にはエースになれたら」と思い描く。その言葉どおりなら、3年後は済美で培った自覚と責任感で、他校の打者を圧倒しているに違いない。

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