映画「スラムダンク」中国で公開 前売り22億円突破 同国の海外アニメ興行収入記録を更新か

[ 2023年4月21日 05:15 ]

 「スラムダンク」の映画が中国本土で公開されるのを前に、映画館で登場キャラクターのパネルと一緒に写真を撮る人=19日、中国上海市(共同)
Photo By 共同

 人気バスケットボール漫画「スラムダンク」の映画「THE FIRST SLAM DUNK」が20日、中国本土で公開された。事前のチケット販売額が約1億1560万元(約22億6000万円)を突破し、中国で公開された海外アニメの興行収入記録を更新する可能性が出てきた。

 上海の映画館では午前0時の公開を待ちわびた多くのファンが詰めかけ、キャラクターのユニホームを着た人も目立った。夜中にもかかわらず初回はほぼ満席となり、上映中は拍手のほか「ウオー」という歓声や笑い声が巻き起こった。インターネットメディア、澎湃(ほうはい)新聞によると、公開初日は本土各地で計13万回を上映。上映される映画全体の8割近くを占めるなど、中国全体が「スラムダンク」一色に染まった。

 中国でのフィーバーぶりに、原作者で映画の脚本・監督を務めた漫画家の井上雄彦氏はこの日、ツイッターに「中国で公開され、とてもうれしい。楽しんでほしい」と中国語で投稿し、中国のファンに謝意を示した。

 同作は中国で「灌籃高手」と表記され、テレビアニメ版が1990年代に放映。一部で熱狂的な支持を得た。待望の映画公開。最終的には日本での全興行収入120億円を超える勢いで、人口が桁違いなだけに“レベル違い”な新記録となりそう。中国では3月24日公開の「すずめの戸締まり」も好調。興収が今月17日に7億5200万元(約145億9000万円)となり、日本の約144億円を上回った。

 コロナ下で日本アニメが世界にネット配信されたことが人気を押し上げたとみられる。製作が遅れていた日本アニメも続々公開予定の見込みで、中国で日本アニメブームが加速しそうだ。

 ≪フィリピンではボルテス5復活≫フィリピンでは1977年に日本で放送されたアニメ番組「超電磁マシーン ボルテス5」が実写版として復活し、このほど特別上映会が行われた。同国では78年放映開始。子供らは熱狂したが現大統領の父のマルコス独裁政権下で、最後の4話を残し放映が打ち切られた。戦闘の末に「解放」を勝ち取る結末を、政権が嫌ったのではないかとの臆測も一部に広がった。実写版はフィリピンのテレビ局GMAなどが約3年がかりで制作。来月からはテレビ放送がスタートするという。

続きを表示

2023年4月21日のニュース