藤井王将 新戦法「藤井スペシャル」に意欲 史上初の8冠独占へ「すぐにそれを目指せる状況ではない」

[ 2023年2月12日 05:10 ]

藤井王将(中央左)が出演したスポニチ生配信の様子(撮影・木村 揚輔) 
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 将棋の藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=は11日、本紙創刊75周年記念トークイベントの第1弾にスポーツニッポン新聞社東京本社で出演し、杉本昌隆八段門下の妹弟子・中澤沙耶女流二段(26)を相手に自身の名前を冠した新戦法の創作へ意欲を語った。

 「全く新しい指し方は難しいと思うが、一局一局工夫する気持ちは大事にしたい」

 振り飛車の戦法に藤井猛九段(52)の「藤井システム」があり、横歩取りには青野照市九段(70)の「青野流」がある。AIを駆使し、網羅するかのように研究が進む現代将棋。自らの頭脳で独創性を発揮する困難さは熟知するが、その野心は持ち続けると語った。

 史上初の8冠独占にも触れた。「現時点ですぐにそれを目指せる状況ではない。実力が必要で、そこを積み上げたい」と語った上で、昨年7月で20歳になり「20代のこれから数年間は大事。実力を高められるように意識してやれたら」。王将を守って5冠を維持すれば最短、今秋王座戦での全8冠独占へ視野が開ける。

 師匠の杉本は昨春、王将を獲得し5冠になった藤井の8冠達成について「もし達成するなら3年以内。5年以上かかれば確率は下がります」と話していた。藤井は「師匠はそういうことを言うキャラではない。知って驚いた」と苦笑いしたが、出場したタイトル戦11戦無敗の勢いを考えれば、カウントダウンに入ったと言えそうだ。

 出演に備えて東京本社に到着後、新聞を印刷する輪転機が発する機械音に反応。本紙を刷っている東日印刷を志願して見学し、発送場へも足を運んだ。「(工程)全体の流れを見ることができて良かった」。休日は電車のシミュレーターをプレーし、パソコンを自作する機械好きの王将は、配信開始直前まで熱心に見入っていた。(筒崎 嘉一)

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