「どうする家康」脱出失敗の巴&関口氏純“遺言”ネット号泣&「築山殿事件」フラグか…真矢ミキ語る舞台裏

[ 2023年2月12日 20:45 ]

大河ドラマ「どうする家康」第6話。 人質交換に巴(真矢ミキ)は…(C)NHK
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 嵐の松本潤(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は12日、第6話が放送され、今川の人質となっていた主人公・松平元康(のちの徳川家康)の愛妻・瀬名救出が描かれた。愛娘と孫のため、父・関口氏純と母・巴は自ら犠牲に。巴役を好演した女優の真矢ミキ(59)に撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどのヒット作を生み続ける古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となる。

 第6話は「続・瀬名奪還作戦」。今川氏真(溝端淳平)は松平元康(松本潤)に「降伏しなければ瀬名(有村架純)たちを皆殺しにする」と通達。本多正信(松山ケンイチ)は「今川家重臣を生け捕りにし、瀬名たちと人質交換する」という更なる秘策を提案。実現困難とも言える大胆な策だが、元康はすべてを託す。正信の命を受けた服部半蔵(山田孝之)は鵜殿長照(野間口徹)が守る難攻不落の上ノ郷城に忍び込み、やがて火の手が上がる…という展開。

 大鼠(千葉哲也)の娘・女大鼠(松本まりか)も参戦。半蔵たちは長照の息子2人、鵜殿氏長(寄川歌太)と鵜殿氏次(石田星空)を生け捕りにした。

 足の古傷が痛むという正信に代わり、石川数正(松重豊)が単身、今川本陣へ。氏真との談判に臨んだ。

 「忠義の者のご子息を見殺しにしたとあれば、駿府様の御名にもお傷が」。数正の進言に耳を貸さず、氏真は怒り狂う。数正の進言に耳を貸さず、氏真は怒り狂う。瀬名の母・巴(真矢ミキ)は夫・関口氏純(渡部篤郎)と今川に残り、責めを負うと申し出。氏純も「我ら夫婦を御成敗なされば、御屋形様の面目も保てましょう。そして、2人と3人の取引ならば、悪くもないはず。よって何卒、娘と孫だけはお助けいただき、どうか松平との取引に応じてくださりますよう、お願い申し上げまする」「御屋形様、どうか前途有為なる鵜殿の兄弟をお救いくださいませ」と懇願した。

 亀姫をおんぶした瀬名と竹千代を抱えた数正、鵜殿兄弟が両岸から川を歩いて渡り、無事に人質交換。元康は約2年ぶりに瀬名との再会を果たし、涙した。

 父と母の“遺言”が瀬名の脳裏によみがえる。

 巴「瀬名、強くおなり。我ら女子(おなご)はな、大切なものを守るために命を懸けるんです。そなたにも、守らねばならぬものがあろう。瀬名、そなたが命を懸けるべき時は、いずれ必ず来ます。それまで、強く、もっともっと強く、生きるんです」

 氏純「そなたは、笑顔が似合う。笑顔を忘れるでないぞ」

 瀬名は最愛の両親と涙の別れ。「太守様なら、(今川)義元公ならば、必ずやそうなさいましょうぞ」(巴)「我らとて、今川家が衰えていくことなど望んでおりませぬ。どうかお家を、立て直されませ」(氏純)と交渉に応じた氏真は一人、何を思うのか。

 SNS上には「今回は涙回」「氏純さんと巴さんのシーン、泣かずにはいられない…号泣した」「(脱出失敗した)前回は『巴さん、どうして…』と絶望したけれど、娘と孫を守るために命を懸ける姿に泣かされた。力強く気高い表情で、強くあれと娘に説く真矢巴さんも、瀬名に笑顔でいなさいという渡部氏純の切なくも覚悟を決めた表情も、とても良くて」などと涙に暮れる視聴者が続出。

 一方、史実としては「築山殿事件」があるため「今回の脚本家も鬼」「巴が最後に瀬名にかけた言葉は後々のことを思うと、まるで呪い」「この言葉を胸に刻んだ瀬名が、あの事件をどう迎えるのか」などと心配や不安の声も相次いだ。

 同局を通じた真矢のコメントは以下の通り。

 ――巴を演じ切って。

 第5回(2月5日)、巴のせいで今川家からの脱出に失敗してしまうシーンは、初めて脚本を読んだ時、「私か…」と複雑な思いでした(笑)。でも、巴を表すには重要なシーンですし、私自身、演じていく上でのヒントになりました。良く言えば、育ちがよく、物事の裏を読まない純粋さ、素直さがあります。悪く言えば、うっかりしていて思慮深さに欠けるとも言えますが、それだけ周囲の人に支えられて生きてきたのだろうと思います。瀬名にとっても、気品はあるけれど、たまに理解しがたいお母さんという感じだったのかな…。

 でも巴は、実は奥底に熱いものが流れている女性だったのだろうと思っています。それを象徴するのが、第6回で巴が瀬名に対し「そなたが命を懸けるべき時は、いずれ必ず来ます。それまで、強く、もっともっと強く生きるんです」と言葉を掛けるラストシーン。大切な人を守るために命を捧げる覚悟や潔さ、娘への愛、戦国を生き抜いてきた巴の強さが詰まった最期だったと思います。

 ――夫・氏純との関係。そして娘・瀬名への思い。

 氏純さんは口数は少なく威厳があり、思慮深く、巴とは正反対。巴にないものをほとんど持ち合わせていますし、2人のバランスが取れていて、理想の夫婦だなと思います。そんな氏純を演じる渡部篤郎さんともよくお話ししていたのですが、夫婦の軸にあるのは、やはり娘・瀬名に対する深い愛情。とにかく、それを大切に演じてきました。

 思い返せば、瀬名が雑木林で自由に遊ぶ元信に惹かれるような温かい子に育ったのも、親の愛情が豊かだったからなのかもしれません。当初、巴は瀬名と元信の結婚に反対していましたが、それも愛情の裏返し。「今川へのご恩を忘れないでほしい」という今川への思いももちろんありますが、その裏には「娘に戦国乱世を生き抜いてほしい、そして次の世代にバトンを渡してほしい」という母の愛情があったのだと思います。

 瀬名を見ていると、父親譲りの賢さもありますが、出るところに出たら覚悟を決めるという強さや度胸も持っていて、巴の血が流れていることも感じられます。巴は亡くなっても、娘に伝えたかった思いはもう十分伝わっているのかなと思っています。

 瀬名を演じる架純ちゃんとの共演は今回が初めてでしたが、一つ一つ丁寧に物事を進めるところや、小さなことに喜びを見つけられるところなど、今作の瀬名と重なる部分もあり、健気でかわいらしい彼女をいつも微笑ましく見守っていました。彼女のおかげで、私も自然と役に入ることができたなと思います。

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