加賀百万石の最強勝負めし 美食の都で2人は何選ぶ? 脳科学者が“勝つ”用法を伝授 王将戦金沢の陣

[ 2023年1月28日 05:28 ]

第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第3局 ( 2023年1月28日    金沢市「金沢東急ホテル」 )

金将を手にポーズをきめる羽生九段(左)と藤井王将(撮影・西尾大助、河野光希、岸 良祐)
Photo By スポニチ

 藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠と羽生善治九段(52)の“世紀の対決”に彩りを添える勝負めしとおやつ。加賀百万石の城下町として多様な食文化を育んできた金沢ならではの逸品がそろった。この豪華ラインアップが2人の将棋にどのような影響を及ぼすのか。食事から受験を考える「受験フードマイスター養成講座」で講師を務める脳科学者・西剛志氏(47)に金沢勝負めしの活用法について聞いた。

 令和の天才と平成の天才が繰り広げる超高次元の頭脳戦。2人の脳の働きを最大限まで活性化させる最高のメニューとして、脳科学者の西氏が「これはいいですね」と選んだのは「能登豚カツカレー」だった。

 受験も将棋も勝敗のカギを握るのは脳の働き。その脳の働きを妨げるのが(1)眠気(2)集中力の低下(3)記憶力の低下(4)情報処理能力の低下。「能登豚カツカレー」にはこの四大悪を抑え込む食材が上手に盛り込まれているという。

 集中力や記憶力の低下を招くのは高カロリーの食事を取ることで急激に上がった血糖値が急降下する「血糖値スパイク」。この血糖値スパイクを防ぐのが食後の血糖値の上昇度を示す指標GIが低い「低GI食品」。カツカレーは、高カロリー食に思えるがカツの衣に含まれる油が腸壁に膜をつくるため意外に低GI。豚肉には幸せホルモンといわれるセロトニンを生み出すトリプトファンが多く含まれているのもプラス材料だ。西氏は「より長い時間、脳にエネルギーを供給するために」と低GIの乳製品チーズのトッピングを勧めている。

 「裏技」として西氏が勧めるのは「ズワイ&香箱蟹(こうばこがに)丼」。カニには睡眠の質を高めるグリシンが多く含まれる。対局初日の昼食に選ぶと翌2日目の対局に効果を発揮するという。

 おやつで西氏のお勧めは「加賀友禅」。アクセントとして使用されているブルーベリーは食物繊維が豊富で低GI。認知機能を高める成分も含まれている。低GIのオレンジなどを盛り込んだ「プチフルーツ~お宝箱~」を組み合わせれば「最強」だという。

 ただ、2人の天才の脳の働きには一般論が当てはまらない部分もある。羽生九段はほぼ座っているだけにもかかわらず2日制の対局を終えると4キロ前後体重が落ちる。それだけ脳を酷使し、大量の糖分を消費しているということだ。そこで西氏が提案する勝負めし活用法が「ちょこっと食べ」。食事を取ってから30分から1時間で血糖値は上がり、2時間くらい後から下がっていく。長時間、安定して脳に栄養を供給し続けるためには1食を2時間ごと5回に分けて食べる新スタイルの食事法が有効。食事の提供が原則ない2日目の午後3時以降の集中力向上につながるかもしれない。

 ≪「ズワイ…」1番人気≫ネット上では、昼食メニュー8品から藤井と羽生に食べてほしいメニューを選ぶ「イチオシ勝負めし!投票」が行われ、27日に締め切られた。18日の中間発表では「ズワイ&香箱蟹丼」が29.3%の得票率で首位。2位は「能登牛丼」で27.6%、3位は「のどぐろ炙り焼き重」で17.2%。28日とあす29日の第3局で対局者が実際に選んだメニューに投票した応募者には、金沢で利用できる食事券が抽選で当たる。

続きを表示

この記事のフォト

2023年1月28日のニュース