藤井王将“先手”必勝だ 今年度わずか1敗 「この2局の内容踏まえ…」中5日で切り替え

[ 2023年1月28日 05:05 ]

雪の降る金沢駅に到着し、鼓門を背にたたずむ藤井王将
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 藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に、羽生善治九段(52)が挑む将棋の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)第3局第1日は28日午前9時に金沢市の金沢東急ホテルで始まる。27日には同所で対局場検分が行われた。1勝1敗で迎える今局は藤井の先手。銀世界の金沢で熱い戦いになること必至だ。

 先手番で先勝し、後手番で追い付かれた。藤井は1勝1敗で迎える第3局を前に、「この2局の内容を踏まえつつ、改めて5番勝負。気持ちの面で頑張っていきたい」と今期7番勝負最短となる対局間隔、中5日での切り替えに努めた。

 心強いデータにできるだろうか。藤井は昨年6月の棋聖戦第1局で敗れたのを最後に、先手で21連勝中。防衛へ向け、再び先んじたい第3局を先手で迎えることについて、「それは意識してません。裏を返すと、後手の勝率が下がっているということ。そちらをどうするか考えたい」と自虐的に笑った。確かに今年度24勝1敗の先手に対し、後手では16勝7敗。勝率.696は16年10月のプロデビュー以来初めて7割を切っていた。

 通算12度目のタイトル戦だが、金沢では初対局。自宅には十数年前、家族旅行で訪れた特別名勝・兼六園での写真があるという。「雪が降る中での対局は自分自身、ほとんど経験がない。新鮮です」と新たに見つけた発奮材料を披露した。 (筒崎 嘉一)

 ≪ファンも参加し前夜祭≫金沢市文化ホールで行われた前夜祭にはファン、関係者ら約230人が出席した。金沢市の村山卓市長は「金沢の将棋史に残る熱戦を期待します」とあいさつした。会場にはファンも来場。市内在住の男性会社員(50)は「金沢での王将戦は初めてで、こんな機会はないと思い応募しました」と声を弾ませた。

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