岸博幸氏 岸田首相の賃上げ要請の実現性を疑問視「立派なこと言ってるんだけどホントにできるの?」

[ 2023年1月28日 22:31 ]

 元経産官僚で慶大大学院教授の岸博幸氏(60)が28日、ABEMA「NewsBAR橋下」(土曜後9・00)に生出演し、岸田文雄首相が施政方針演説で掲げた賃上げの実現に疑問を投げかけた。

 岸田首相は23日に衆院本会議で行った演説で、持続的に賃金が上がる構造の構築を訴えた。この演説内容に、岸氏は「岸田さんの施政方針演説を聞いていても、すごく立派なことをいっぱい言ってるんだけど、ホントにできるのかよ?とすごく疑心暗鬼になっています」と、疑問を呈した。

 資本主義社会で、政府は春闘にまで介入できない。岸氏は「安倍政権のころから、政府がやってきたことは、経団連、大企業の集まりに(賃上げを)お願いをすること」と政府の役割の限界を指摘。大企業やグローバル企業で6、7%台の賃上げ率を公言している例もあるが、物価上昇率4%の中で「この春闘で本当に大企業平均で4%以上になるかというと、僕はその可能性は低いだろうなと思っています」と分析した。

 ベアによる賃上げを嫌う企業側の傾向から、岸氏は「僕は4%台はきつくて、3%台半ばかそれくらいかなと、今年の春闘を予想している」とした。ところが、「春闘で賃金が決まるのは、いわゆる大企業の正規社員だけ」と指摘。中小企業の社員や非正規雇用の労働者はそれ以下になることが確実視され、「物価の上昇に追いつかないよね、生活厳しくなるよねと」と、生活水準の改善は望み薄と見通した。

 そんな中でも政府の打てる数少ない策として、岸氏は「当然やれることはいくつかあるけど、短期的に一番できるのは、収入低い人にお金を配ることになっちゃう」と述べた。これに対し、進行役のお笑いコンビ「サバンナ」高橋茂雄は「賃上げになってない」と嘆いていた。

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2023年1月28日のニュース