岸博幸氏 5類相当引き下げに見える政治的都合「こんなに思惑が入った判断でいいのかな?」

[ 2023年1月28日 21:50 ]

岸博幸氏
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 元経産官僚で慶大大学院教授の岸博幸氏(60)が28日、ABEMA「NewsBAR橋下」(土曜後9・00)に生出演し、新型コロナウイルスの感染症の分類が現在の2類から5類相当に引き下げられることについて私見を語った。

 5類相当へ移行後の医療費は、期限を区切って公費負担を当面継続し、急激な個人負担増にならないよう配慮する方針。マスク着用は屋内外を問わず個人の判断に委ねる。感染者の行動制限もなくなる。政府は着用が効果的な場面を周知する方向で検討しており、早期の提示を目指す。

 政府の決定に、岸氏は「当然の判断で、もう少し早くても良かったと思います」と対応の遅さをチクリ。さらに、「問題だと思うのは、細かく見ると政治の都合がいっぱい山盛り入っちゃって、こんな思惑いっぱいの、科学的判断よりも思惑が入った判断で本当にいいのかな?」とも指摘した。

 イベント収容人数の上限規制が、27日から唐突に撤廃され、声出し応援なども認められた。岸氏は「たぶんこれはWBCであるとか、春の高校野球(センバツ)とかああいうので、世の中を盛り上げたいという意向があったんだろうな」と、政府の思惑を推測した。

 5類相当への完全引き下げは、5月8日。この約3カ月について岸氏は、医療機関の対応までの期間との理解を示しつつも、「現状でマスクを取れるタイミングが分からない。なぜイベントだけ先行して、ほぼオープンにして、あとは分からないんでしょうか?」と疑問視した。3月に補欠選挙、4月に統一地方選があることから、「(有権者の)様子を見たいのかな?」とも述べた。

 さらに疑問なのが、5月8日と日付が定められた完全移行日だという。岸氏は「その約1週間後に広島サミットがあるわけですよ。広島サミットで当然、首脳国、G7の国、メディアもいっぱい来るから、日本はフルオープンというのを見せたいのかな」とコメント。「何かイベントだけ先行、見切り発車。あとはまだ全体は良く分かりませんと。でも5月8日って、よりによって広島サミット直前では絶対やるというのは、政治の都合を優先してねえかなと、うがった見方をすればできちゃうよね」と懸念を示した。

 番組ホストを務める元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏は、「専門家は誰も結論出せないとなったんじゃない?」と指摘。すると岸氏は、「ある程度、他の要因も絡めて判断するなら、何でイベントだけ今週から見切り発車したのか」と疑問は止まらない様子だった。

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2023年1月28日のニュース