三谷幸喜氏 25年ぶり上演「笑の大学」に込める思い「個人的な話という感じ。他の作品と違って」

[ 2023年1月28日 19:39 ]

三谷幸喜氏
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 脚本家の三谷幸喜氏(61)が28日、ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」(土曜前8・30)にゲスト出演し、自身が作・演出を手がけ、25年ぶりに上演される舞台「笑の大学」への思いを語った。

 2月8日に東京・渋谷のパルコ劇場で開幕する同作は、日本では25年ぶりの上演となる。上演期間が空いたのには、三谷氏なりの考えがあったという。「僕の中で結構、大事な作品であって。あそこに出てくる椿一(つばき・はじめ)という劇作家は、僕の分身という以上に、理想の作家なんです。こんな作家でいたいということで作った作品だから、大事に考えていて」と打ち明けた。

 舞台は昭和15年、戦争の足音が聞こえ始めた日本。喜劇を書きたい劇作家と、非常時に喜劇など許さないというスタンスを取る警察の検閲係とのせめぎ合いが見どころの作品。劇作家を瀬戸康史、検閲係を内野聖陽が、それぞれ演じる。三谷氏は「それを託せる俳優さんが2人そろわないと、上演しないようにしたいというのはありました」と、四半世紀ぶりの上演で2人への期待を口にしていた。

 2人のやりとりは、自身がテレビドラマの脚本を書いた時のプロデューサーとのやりとりがベースになっているという。出演俳優のスケジュールによる脚本の変更や、予算によるセットの削減などが次々と起こるといい、「いいものを作るためには決してプラスにならないことばかり言ってくるんですよ。作家としては納得いかないんだけど、“分かりました”と言われた通りに書いて、その分、物語がつまらなくなるともったいないし、嫌じゃないですか?」と本音を明かした。

 そんな中で三谷氏は、「プロデューサーの言うことは全部、受け入れるんだけども、それを逆におもしろくする手立てにしようと」と試行錯誤。「セットが2つしか使えないなら、その2つをどれだけ有効に使うか考えたり、俳優さんと俳優さんがこのシーンで2人出られないのであれば、そうじゃないストーリーを考えて、それでおもしろくなったらそれでいい」と明かした。

 制限がある中で最高のものを作ろうという、三谷氏の劇作家魂がこもった作品で、「僕の個人的な話という感じがするんです。他の作品と違って」と思い入れを語っていた。

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2023年1月28日のニュース