知床観光船事故 船が1キロ沖海底で発見の理由を専門家推察「船の安定保つための努力か」

[ 2022年5月1日 18:58 ]

 元海上自衛官で水難学会の安倍淳副会長が1日、日本テレビ系「真相報道バンキシャ!」(日曜後6・00)にリモートで生出演し、北海道知床半島沖で起きた観光船の沈没事故について解説した。

 乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」=19トン=は、4月29日に知床半島沖の海底で見つかった。安倍氏は、第1管区海上保安本部(小樽)が公開したソナー(探知機)の画像から、船の沈没状況を「当初予想してました、カシュニの滝のような急峻(きゅうしゅん)な岩の間、起伏の激しいところに船がいるわけではない」と推測。「緩い勾配のところ、砂地または泥のところにいるのだなと分かる」と分析した。

 しかし、引き上げ作業には困難が伴うという。安倍氏は「フラットだからといって容易にできるというわけではなく、流れの早いところに沈んでいるということと、少し勾配があるということで、船のコンディションが今後、潮の流れとともにどんどん変化する可能性もあります」と指摘。「なるべく早く、事前に詳細な調査を行って、早期に救助にかかれればいいなと思います」と語った。

 船は事故が発生したとみられるカシュニの滝から、西に約1キロの海底から発見された。事故当時、北西の風があったことから、安倍氏は「船長は船にとってうねりと風に強い、船首方向を沖に立てて、激しい(波高)3メートルのピッチング(上下動)を繰り返しながら、横方向のローリングの動きを加えながら、船の安定を保つために沖方向に少し移動して行ったのではないかと想像しています」と分析。「船の安定を保つために懸命の努力がされていたのではないかなと思います」と、船長の判断と行動を推測していた。

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2022年5月1日のニュース