知床観光船事故 捜索、引き上げ作業の費用を専門家が推測「億単位は間違いない」

[ 2022年5月1日 19:21 ]

日本テレビ社屋
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 元海上自衛官で水難学会の安倍淳副会長が1日、日本テレビ系「真相報道バンキシャ!」(日曜後6・00)にリモートで生出演し、北海道知床半島沖で沈没した観光船の今後の捜索、引き上げ作業について見解を語った。

 乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」=19トン=は、4月29日に知床半島沖の海底で見つかった。船が沈む海底120メートルの地点について、安倍氏はソナー(探知機)の画像から「緩い勾配のところ、砂地または泥のところにいる」と分析。しかし、「現場海域は潮流が早いと言われています」とし、波の影響を受けて捜索が難航する可能性を推測した。掃海艇と潜水ロボットをつなぐケーブルも強い波の影響を受けるため、「運航に難易度が増すという状況が続いていると思います」と指摘した。

 ロボット以外にダイバーが潛る「飽和潜水」という捜索方法もあるという。ダイバーが加圧タンクの中に長時間入り、海底の高い水圧に慣れてから潜水、捜索するというもの。しかし、安倍氏によると危険が伴う作業だといい、「技術的には困難な業務になると思います。狭い加圧タンクに長時間入るので、ダイバーのストレスも非常に高いものがありますし、今回は捜索ということなので、ダイバーの精神衛生上のストレスが高い」と懸念を示した。

 捜索期間については、「おそらく月単位になるのではないかと思います。半月…調査関係でもそれだけかかるのではないか」と見通しを示した。費用は「さまざまな算出方法があるかと思うんですが、少なくとも今まで行われたオペレーションから推察するに、おそらく億単位のお金がかかることは間違いない」と指摘。費用負担は「運航会社が第一義的に支払わなければならないと考えていますが、保険会社だったり様々な費用負担の割合が今後、話し合いによって決まっていくのではないかと。不透明なところではありますけど、作業には莫大な経費がかかるということで、その割合をどうするか」と話した。

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2022年5月1日のニュース