広島・誠也の挑戦が同僚の引き出しに 自然体で先頭に立つ主将としての背中

[ 2021年2月24日 13:00 ]

広島・鈴木誠也
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 広島・鈴木誠也外野手(26)の探求心は、巡り巡って味方の成長まで促している。先輩の堂林に求められて助言を伝えたかと思えば、独自のルーティンに興味を持った新外国人クロンが、見よう見まねで鈴木誠と同じティー打撃を試している。豊富な打撃の引き出しを求めて、自然とナインが吸い寄せられていく。

 今春キャンプで唯一、全体練習が午前中で終わった22日のことである。時間に余裕のある状況にも後押しされて、練習を終えた若手野手数人が鈴木誠を囲んだ。即席で始まった質問会を先導したのは大盛だった。「誠也さんがいま取り組んでいる打撃について疑問があったので、どういう意識で取り組んでいるのか聞いて見たかったんです」。鈴木誠は今オフからレベルスイングの軌道を意識した打撃に挑戦している。上から球を叩くことでパンチ力を生み出している大盛とは対照的な発想と言える。

 「いまの誠也さんは、客観的に見たらアッパースイングに見える。でも、それは“ヘッドを返さないためのスイングで、打ち損じがフェアゾーンに入らず、勝手にファウルになるようにしたい”と言っていた。頭のどこかに入れておけば、何かで試せるかもしれないし、いい話が聞けたなと思いました」

 この「ファウル」にこそ、大盛がもう一皮むけるためのカギがあると言える。昨季は148打席で50三振。落ち球中心の配球に苦戦した。「追い込まれてから小手先で変えようとするから逆に当たらなかったり、こねたような打球になると言われて…。しっかりと打ちに行った中で芯を食えば前に飛んで、ファウルなら球を叩けているからオッケーだと」。スイングの軌道は違っても、鈴木誠が新たに取り組む打撃の狙いは、大盛の弱点解消にも通じている。2人を中心とした話し合いは約20分間にも及んだ。

 鈴木誠が今春から務める野手キャプテンとしての主な仕事は、キャンプ初日に行った円陣での号令ぐらいだろうか。それでも、こうして鈴木誠を中心とした輪が自然と出来上がる。例年と変わらない立ち振る舞いだとしても、その姿は立派な主将である。(記者コラム・河合 洋介)

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