阪神・西勇 ぜんそく検査で帰阪 キャンプ中2度の症状 大事取って離脱も開幕投手はひとまず白紙

[ 2021年2月24日 05:30 ]

<阪神春季キャンプ>22日の練習中、冴えない表情を見せる西勇
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 阪神は沖縄・宜野座キャンプ第5クール最終日の23日、西勇輝投手(30)が、ぜんそくの検査のため練習を途中で切り上げ、帰阪したと発表した。今キャンプ期間中に2度もぜんそくとみられる症状を発症。そのため矢野燿大監督(52)は本人、トレーナーと相談した上で大事を取って帰阪させる決断を下した。3月26日に控える今シーズン開幕投手最有力候補の離脱により、開幕投手は白紙となった。

 開幕投手の決定が、予期せぬ形で先送りとなった。前日22日の時点で西勇は27日の練習試合・中日戦(北谷)で今春初の実戦登板を予定し、調整を進めていた。だが事態は急変した。この日はウオーミングアップから別メニュー。そして練習中に読谷村内のチーム宿舎に戻り、午後の航空機で帰阪していた。右腕に代わり、矢野監督が経緯を明かした。

 「せきがね。このキャンプ、そういうのが続いていたんで。少しコンディション的にも難しいなと。トレーナーと話をしても、そうやったんで。キャンプも残り1クール。一度帰って様子を見るというか、やってみて、時間を使った方がね」

 西勇が今キャンプ中に、ぜんそくとみられる症状を発症したのは今回で2度目。せきの症状が強く、睡眠にも影響が出ていたもよう。せきが続いたことで胸などの筋肉部分にも痛みが出ていた。このままでは万全の状態で練習を続けることは困難……。金村投手コーチも大事を取った措置であることを明かした。

 「大したことではないけど、せきが止まらないのが続いていた。こっちに来て、(症状が)でだしたから、検査して、早くせきを止めようということで」

 そこで3月1日のキャンプ打ち上げを待たず、チームを離れる決断に至った。今季は3月26日が開幕。以前から開幕投手の大本命に名前を挙がるなど、2年連続の大役に期待がかかっていた。だが今回の離脱による調整遅れは否めず、開幕投手は白紙状態に。指揮官も今後の状況を注視しつつ、慎重に判断していく意向を示した。

 「それ(開幕投手への影響)は、もうちょっと進んでみないとわからないけど、全然駄目とか、そんなことはないんでね。せきが、というのが、どうしようというところなんでね。こっちの理想としては3月に入って、またね。ちょっと先のことはわからないんで」

 今季のスタートダッシュを狙う猛虎に、不穏な空気が漂った。ただ、ここまでは順調に調整しており、肩肘に影響がないことにも希望が見いだせる。金村コーチも「3月に入ってからでも十分、登板数は開幕に合わせて何試合も投げられる。ずっとやってきているし投げ込みもしている。体力が落ちるほど休むとかではない」と状態次第では開幕も可能である見立てだ。V奪回へ不可欠な戦力だけに早期回復が待たれる。(山本 浩之)

 【阪神の近年の開幕投手指名】
 ★16年・メッセンジャー 宜野座キャンプ打ち上げの2月29日に通達。「オフに体をつくってきてくれてありがとう。開幕を任せた。頼りにしている」
 ★17年・メッセンジャー 秋季練習中の16年10月14日に早くも「ほぼメッセでしょう」発言。宜野座キャンプ打ち上げの2月28日「開幕を頼むぞ。自分の仕事をしっかりしてくれ」と通達。
 ★18年・メッセンジャー 17年11月23日「これは普通に、アクシデントが無い限り。いわゆるレギュラーですから」。2月21日、メッセ自身がすでに通達されていることを明かす。
 ★19年・メッセンジャー 3月3日、オープン戦初登板のソフトバンク戦を見て決断。「本命だった。やっていること、準備、気持ち。そういうものも含めて決めた」
 ★20年・西勇 2月18日「もう決めてんねんけど」と突然の発表。16日までに通達済みで「スローガンの『It’s 勝(笑) time!』を一番体現してくれるのは西」。コロナ下で開幕延期も決意はゆるがなかった。

 《右脇腹違和感の高橋も治療最優先 近日中にも帰阪》高橋も、治療を最優先するため、キャンプ打ち上げを待たずに、近日中にも帰阪することが分かった。16日の楽天戦登板後に右脇腹の違和感を覚え、同日夜に沖縄県内の病院で右脇腹の筋挫傷と診断を受けていた。17日以降は別メニューで調整していた。今後は帰阪した後、リハビリを開始する予定だ。

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