震災10年節目のセンバツ、選手宣誓の大役は仙台育英に…島貫主将「勇気や感動与えられる言葉を」

[ 2021年2月24日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会組み合わせ抽選会 ( 2021年2月23日 )

対戦相手が決まり、感想を述べる仙台育英の島貫丞主将
Photo By 代表撮影

 コロナ下で2年ぶりの開催となる第93回選抜高校野球大会(3月19日から13日間、甲子園)の組み合わせ抽選会が23日、大会史上初のオンラインで行われた。優勝候補の一角、仙台育英(宮城)は、大会初日の第2試合で明徳義塾(高知)と対戦。東日本大震災から10年、島貫丞(じょう)主将(2年)は選手宣誓を引き当てた。節目の春。被災地へ勇気を届けるメッセージから、特別な春が幕を開ける。

 不思議な縁に、感謝した。オンラインでの組み合わせ抽選が終わり、初日に登場する6校の主将が残った。選手宣誓役の抽選。仙台育英の島貫主将が、大役を引き当てた。

 「東日本大震災から10年がたった。その年に選手宣誓ができるのはうれしく思います。さまざまな思いを伝えられれば。被災した方々に、勇気や感動を与えられる 言葉を入れていきたい」(島貫主将)

 コロナ下でさまざまな制約を受けながらも、2年ぶりに帰ってくるセンバツ。この日、開会式も初日に出場する6校で入場行進を行う方針が決まった。まず、初日の第2試合を引き当てて挑戦権を得た島貫主将は、6人中3番目に「3」のクジを選び、大役を務めることが決まった。

 自身は福島市出身。震災当時は7歳だった。宮城の秀光中に進学し野球を続けた。そして、甲子園で頂点に立つために仙台育英へ。昨秋の新チームから主将に就任。東北への思いは人一倍強く「緊張しているけど、コロナの状況ですけど、いい大会をつくり上げられる宣誓ができれば」と決意を新たにした。

 先輩たちの無念を晴らす大会でもある。昨年のセンバツは出場が決まっていたが、直前に大会中止に。3年生の分まで、の思いは強い。チームは89年夏、01年春、15年夏の3度、甲子園の決勝に進んだが、いずれも準優勝。東北勢初優勝に向け、OBの思いも背負う。今年のスローガンは日本一にふさわしいチームになろうという意味を込めた「日本一からの招待」。島貫は「スローガンに見合った大会にしたい」と意気込んだ。

 昨秋の東北大会は自慢の強打に多彩な投手陣もかみ合って優勝。初戦は昨秋の四国大会王者の明徳義塾で、意外にも甲子園では春夏合わせて初顔合わせとなる。島貫の好きな言葉は「運命を愛し、希望に生きる」だ。

 10年前の震災当日、仙台育英のグラウンド周辺は水浸しとなり自宅が津波で流された選手も多かった。寮は津波被害を免れたが物資も届かず入浴も約1カ月後だった。震災から10年の節目。「運命と希望」を背負った主将の言葉が、帰ってくるセンバツの開幕を告げる。(川島 毅洋)

 ▽12年センバツ開会式での石巻工・阿部主将の選手宣誓 11年3月の東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市から、石巻工が21世紀枠で選出。自宅が全壊した阿部主将が宣誓した。「苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。だからこそ、日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう、日本の底力、絆を」など感動を呼ぶ2分15秒のメッセージだった。

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