中畑清 西武逆転劇呼んだ栗山の10球、アウトの質というものを改めて示した 日本ハム・樋口は要注目

[ 2020年9月23日 23:04 ]

パ・リーグ   西武6―5日本ハム ( 2020年9月23日    メットライフD )

<西・日>5回無死二塁、右前適時打を放つ栗山(撮影・尾崎 有希)
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 【中畑清 視点】西武の4回2死から連打での逆転劇。その攻略の糸口は、この回先頭の栗山の打席にあったと言い切っていい。バーヘイゲンから10球粘った末、結果こそ左飛だったが、あのベテランが見せた姿勢や対応が選手に伝わり、本当の“打線”となった。

 3回までのバーヘイゲンの投球を見ていたら、これは点を取れないな、と感じていた。1メートル98の長身から角度があり、速球は150キロ台半ばまで、ナックルカーブとチェンジアップもいい。この難敵に対し、栗山は全てのボールをカットして、全てのボールに対応できるんだよ、という空気をつくり出してくれた。

 この打席、ファウルは7度。133キロスライダー、152キロツーシーム、127キロナックルカーブ、143キロチェンジアップ、127キロナックルカーブ、133キロナックルカーブ、142キロチェンジアップ。全ての球種をみんなに見せてあげた。

 アウトの質、というものがある。単なるアウトと、そうではないアウト。そういう野球を改めて栗山が示してくれた。同点3ランの木村は1ボールから一振りで仕留めた。あれだけ思い切り振れたのも、栗山の打席があったからに他ならない。

 西武の生え抜きでは初の2000安打に迫っている。そのベテランが球団3000勝に文字通り導いた。栗山の足跡が何かメッセージを送っている気がするな。ここから巻き返していこう、と。諦める前にやるべきことあるぞ、と。

 日本ハムでは初出場の新人・樋口に目を奪われた。まずボール球の見送り方など、打席での雰囲気がルーキーのものではない。大人びていて、もうプロで何年も飯を食っているかのような。ボール球は全く追いかけない。本当に苦労し、いい練習、トレーニングを積んできたんだなと思う。6回のプロ初安打となった右前打は、2ストライクと追い込まれてから、しっかりと逆方向へ自分の強いスイングができていた。非常に価値ある一打だし、どの打席も内容が濃かった。三塁が手薄なのもチャンスだし、何かを持っているのでは。実戦向きで、使いたくなる選手だよ。この先、必ず出てくると思うし、見逃せない選手の一人になった。(本紙評論家)

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