マー君、日本投手初の6年連続10勝!初対決の雄星に貫禄勝ち 7回3安打零封

[ 2019年8月29日 02:30 ]

ア・リーグ   ヤンキース7―0マリナーズ ( 2019年8月27日    シアトル )

<マリナーズ・ヤンキース>6年連続2桁勝利となる10勝目を挙げ、「6」ポーズをとる田中
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 ヤンキース・田中将大投手(30)が、日本投手初となる6年連続2桁勝利を達成した。27日(日本時間28日)、マリナーズ戦に先発し7回3安打無失点と危なげない投球を見せて10勝目(7敗)。楽天時代からは11年連続2桁勝利となった。日米通じて初の投げ合いとなった菊池雄星投手(28)は4回5失点で9敗目(5勝)を喫した。

 敵地で田中が涼しい顔で牛耳った。4回まで打者12人で料理。5回先頭に二塁打されたが、5番マーフィーから連続三振などで得点させず。7回も二塁打の後、3人を片付けた。安定感抜群の106球で10勝目を挙げた。

 「もちろん日本人初はうれしい。でもそのくくりを無くせば、もっと長く勝ち続けている人たちはいるので」

 10勝が今季の通過点なら、キャリアの中で6年連続も通過点。ヤ軍の先輩・黒田の5年連続を超えても田中らしく高みを見据えた。

 現時点で6年以上の連続2桁勝利を継続中なのはグリンキー(アストロズ=12)、レスター(カブス=7)ら6人のみ。打高投低の傾向が高まるメジャーで、打者有利のヤンキースタジアムを本拠地とする中での快挙だ。大きな故障離脱がないことに加え、たゆまぬ進化を求めてきた技術面の支えが大きい。

 今季は不安定だったスプリットの握りを深く修正し、癖が出ないようセットポジションの構えを変えた。さらに、4登板前の5日オリオールズ戦からは、ノーワインドアップで胸前に構えたグラブと右手を高く上げ始動するよう変えていた。

 腕を縦振りにする意識を強めるなどの狙いがあるが「一番は自分の感覚」と言う。今では多くの球児がまねる独特のノーワインドアップからのフォームだが「09年途中までは振りかぶるワインドアップでしたから。その時は余計なチェックポイントを減らしたくて変えた。それからも、しょっちゅう細かくは変えて試してますよ」

 新フォームは「同じ意識で上げても映像見るとバラバラ。ここ2戦は高すぎ」。抜群の再現性を誇る田中でも簡単ではない。「今日はハードヒットは全然なかった。芯を外せていた」と失投でもファウル、凡打にさせた。

 唯一9勝止まりの08年は、北京五輪のため1カ月半登板がなかった。田中は「見栄えはいいんじゃないですか。数字が2桁になるというのは」。目標は世界一のリング。つかまなければ、2桁の飾りも真に輝かないことを誰よりも知っている。(後藤 茂樹)

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