甲子園は「最高だったよ」関東第一・大久保がみせたスピードと“成長”

[ 2019年8月29日 09:00 ]

鶴岡東戦の2回2死一、三塁、敵失の間に生還し、雄叫びを上げる関東第一・大久保(撮影・北條 貴史)
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 令和最初の甲子園大会でスポニチ高校野球取材班が印象に残った選手や大会中のこぼれ話をリレー形式で紹介するコラムは第6回。関東第一の大久保翔太外野手(3年)をとりあげた。

 日本とタイ。準々決勝・履正社戦の激闘から一夜明けた19日夜、関東第一・大久保翔太外野手(3年)と父・誠治さん(52)は茨城県龍ケ崎市の実家から約4600キロ離れた常夏の地と、ラインビデオ通話でつながっていた。

 「甲子園はどうだった?」「最高だったよ」。2人の短い会話。
だが画面越しでも、短期間に精悍(せいかん)な顔つきとなった息子の成長を感じ取っていた。

 今年6月、誠治さんはバンコクから約2時間離れた地方都市に単身赴任した。7月に一時帰国した際は忙しい合間を縫い、東東京大会・3回戦を観戦した。

 34年前の夏、千葉県の公立高で野球部主将だった父は、大会直前の体育授業で右足複雑骨折に見舞われた。高校最後の夏はスタンドから声援。その無念さがあるから社会人になっても少年野球チームのコーチとして末っ子の翔太と2人の兄を指導した。

 翔太は幼少時から脚力に自信があったが、取手シニア時代にスプリントコーチとして招へいした走り幅跳び選手の猿山力也氏の指導が50メートル走5秒7の礎となった。「上半身の筋肉をつければ腕の振りが速くなってスピードは出るぞ」。猿山氏のアドバイスを念頭に関東第一入学後、ベンチプレスやアームカールに取り組み、チームNo・1のスピードスターへ成長した。

 「1番・中堅」として今夏の東東京大会計7盗塁は同校OB・オコエ瑠偉(楽天)の6盗塁を超えた。甲子園4試合でも計4盗塁。特に2回戦・熊本工戦で決めた初回の二盗、三盗は圧巻だった。塁間3・7秒の走力を生かし、守備でも魅せた。履正社戦では2度大飛球をキャッチ。5回、フェンス際まで伸びた西川の当たりをつかんだファインプレーは観客を沸かせた。

 野球は高校までと決めていた翔太だったが、聖地での4試合通じ大学でも続けたい気持ちに傾いてきた。「強いところでやりたい」。そう力説する姿に、母・和美さん(51)は嬉しそうに目を細めた。“人生の先輩”として父と子のラインビデオ通話はさらに熱気を帯びそうだ。(伊藤 幸男)

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