阪神「これが本当に底か」の不安 優勝絶望的でも暗闇照らす光を

[ 2016年7月11日 09:20 ]

<神・広>1回、1死、見逃し三振に倒れ、ベンチにもどる鳥谷(中央は金本監督) 

セ・リーグ 阪神0-9広島

(7月10日 甲子園)
 【内田雅也の追球】阪神はもう論評するに値しないほど、寂しく、悲しい内容だった。先発投手がプレーボール直後から3連続四球に連続適時打。2回表には早々8点差がついた。

 甲子園球場の入場券は前売りで完売の超満員だったが、5回が終わると空席が目立ち始め、7回にジェット風船を上げるとスタンドを後にし、赤い広島ファンばかりが目立った。我慢強い阪神ファンも見ていられない無残な敗戦だった。

 首位・広島とは15・5ゲームの大差がついた。プロ野球史上最大の逆転優勝は1963年(昭和38)西鉄(現西武)が南海(現ソフトバンク)につけられた14・5ゲーム差である。阪神はもう「優勝」などと口にできるような位置にはない。

 とは言っても、まだオールスター前だ。残り58試合もある。今後いかに戦っていくのか。監督・金本知憲ら現場だけでなく、フロント陣の姿勢が問われることになる。

 スローガン「超変革」の下、「勝ちながら育てる」方針は誰もが理解している。新監督の就任1年目から結果を求めようともしていない。

 ただし、いまの戦い方で本当にいいのかどうか。来年以降の将来構想もある。監督要請時に相当に話し合い、シーズン中もコミュニケーションはとっている。それでも低迷が長引くいま、もう一度、フロント―現場間で話し合っておきたい。ちょうどオールスター・ブレークも訪れる。

 いまのチーム状態はどん底に映る。それでも「これが本当に底か」という不安もある。トンネルはどこまで長く、泥沼はどれだけ深いのか。

 映画にもなった『マネーボール』の主人公、ビリー・ビーンの師匠と言える大リーグの名フロントマン、サンディ・アルダーソン(現メッツGM)も語っている。「悲しい話だが、どの試合を最後に勝てなくなってしまうのか、いま負けたばかりの試合が谷底なのか、わかりはしない」=ジョージ・F・ウィル『野球術』(文春文庫)=。

 そして、この勝負の世界は「いつだって、一寸先は闇」だと言う。

 経験の浅い監督、コーチや若手主体の選手たちは暗闇の中を手探りで歩み、苦しんでいる。もう優勝は絶望的と言っていい。それでも希望を持って戦いたい。暗闇を照らす光として、フロントと現場の対話、助言が必要だろう。 =敬称略=(スポニチ編集委員)

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