【西東京】吉村禎章が見た“怪物”清宮の2年目 強さに柔らかさも

[ 2016年7月11日 09:05 ]

<早実・啓明学園>3回無死、清宮が右越えソロを放つ

第98回全国高校野球選手権・西東京大会2回戦 早実11―1啓明学園

(7月10日 ダイワ八王子)
 早実の清宮を球場で見たのは昨年夏の西東京大会以来となったが、持ち前の強さに柔軟性が出ていて驚いた。本塁打は真ん中低めのスライダー。この球に角度をつけるには、体重移動の際に一緒にグリップが投手方向に出ては駄目。しっかりとボールとの距離をとってさばかないと、ファウルになってしまう球だ。

 大げさにいえば、昨年は踏み出した右足がバタッと地面につく形で、緩急やコースに対して、上半身で対応する打ち方だった。今年は右足を高く上げることはせず、緩急、コースに対してゆっくり出しながら、ボールを見極めている。間がとれるから、柔軟に対応できる。テークバックの際も力みがなく、手首もリラックスしている。打てる球は本塁打した1球しかなかったが、見逃し方もしっかりして、集中力もあった。

 清宮の後の4番を打つ野村は昨年11月に私がU15(15歳以下)の代表監督を務めた「U―15アジアチャレンジマッチ」で「5番・一塁」で使った。とにかくスイングがブレない。あの時から体幹の強さは随一だった。試合前のキャッチボールでも清宮と2人で行っていた。互いが刺激し合えば、昨夏のように1試合ずつ成長していけるはずだ。 (スポニチ本紙評論家)

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2016年7月11日のニュース