ハム奇跡連発で14連勝 9回賢介同点弾&12回レアードサヨナラ弾

[ 2016年7月11日 05:30 ]

<日・ロ>延長12回無死、レアード(5)は左越えにサヨナラ弾を放ち、大谷(左から2人目)ら歓喜の輪の中に飛び込む

パ・リーグ 日本ハム6-5ロッテ

(7月10日 札幌D)
 ミラクル・ファイターズで14連勝!日本ハムは10日、6―5でロッテにサヨナラ勝ちし、球団記録の2007年の14連勝に並んだ。4―5の9回2死から田中賢介内野手(35)のソロで延長に持ち込み、同点の12回にブランドン・レアード内野手(28)がサヨナラソロ。劇的勝利で弾みをつけ、11日のオリックス戦(京セラドーム)で球団新記録を狙う。また、大谷翔平投手(22)は右手中指のマメをつぶして7回途中で降板し、球宴の出場が微妙になった。

 レアードは両手を広げながら歓喜の輪に飛び込んだ。劇的サヨナラアーチの決着で球団タイ記録の14連勝。右手中指のマメをつぶして降板した大谷、起死回生の同点アーチを放った田中賢も、誰もが笑顔だった。

 延長12回、レアードが木村の直球を左翼席へ運んで、チーム今季最長5時間10分の死闘に決着をつけた。「高い打球を飛ばそうと思った。ぎりぎりだったけれど、入ってくれてよかった。最後まで諦めない。それが強いチームの証拠」。リーグトップの西武・メヒアを1本差で追走する25号ソロは自身今季2度目のサヨナラ弾となった。

 ベテランの一振りで土俵際から盛り返した。1点ビハインドの9回2死走者なしで、田中賢が勝負を仕掛けた。「普段はあまり(本塁打を)狙わないが、ここは狙ってもいいかなと思った」。ロッテの守護神・西野に対しフルカウントも、「直球に絞った。それ以外だったらごめんなさい」とヤマを張った。144キロ直球を完璧に叩くと、打球は右翼席の最前列へ突き刺さった。

 田中賢は「会心の当たりだったけれど、意外とぎりぎりだった」と苦笑いを浮かべたが、栗山監督はベテランの活躍に最敬礼した。「レアードも素晴らしかったが、きょうは賢介が凄かった。よくあそこで勝負をしてくれた。感動した」。指揮官の目は潤んでいた。

 前回14連勝した07年シーズン、田中賢はレギュラー2年目だった。「前回は1点差を守り切る野球だった」。9年がたった現在のチームを「破壊力があって大量リードされていても、いけるといった雰囲気がある」と分析。日本一を含め、4度のリーグ制覇を経験した35歳は、奇跡を起こせるメンバーがそろっていると手応えを口にした。

 04年の北海道移転から主催試合で通算500勝となり、試合後に黒のメモリアルTシャツを着て記念撮影を行った。田中賢は「こんなメモリアルな日に、こんな劇的な勝ち方ができる。我ながら凄い」と今季初の5点差逆転に胸を張った。若くて勢いあるチームに、頼れるベテランもいるのだから強いはずだ。首位ソフトバンクとは5・5ゲーム差あるが、恐れる数字ではない。(横市 勇)

続きを表示

2016年7月11日のニュース