警備専門家 岸田首相襲撃事件、映像から「油断があったのでは」「昨年と比べて体制強化は見当たらない」

[ 2023年4月17日 09:37 ]

フジテレビ社屋
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 元警視庁警備部特殊部隊隊員の伊藤鋼一氏が17日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。岸田文雄首相が衆院和歌山1区補欠選挙応援のため訪れた演説会場で、筒状のものが投げ込まれ爆発した事件について言及した。

 和歌山県警は威力業務妨害容疑で兵庫県川西市の職業不詳の男(24)を現行犯逮捕。男が持ち込んだ筒状の爆発物は2本で、うち1本が破裂し、残り1本は現場に残っていた。県警などが構造や殺傷能力の有無を調べる。首相にけがはなく無事だったものの昨年7月に安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件から約9カ月。再び選挙期間中に民主主義の根幹を揺るがす異例の事件となった。

 米大統領など国賓警護を担当したことがある伊藤氏は、容疑者の男が人をかき分けながら岸田首相に近づいていくVTR映像を見て「本来であれば、(容疑者の動きを)把握をして、職務質問、声掛けをして、そこから排除する。排除して、そこで持ち物検査をするというのが本来のやるべき警察官の役割だと思う」と指摘。映像から少なくとも警護担当が11人いるとしたうえで、「今回の場合は、破片の飛散を防ぐ防爆マットを爆発物にかぶせるのが適切な対応」とした。警視庁は、基本的に聴衆が集まる場所には防爆マットを持って行くといい「港に来る人は限られているので油断があったのでは」と自身の見解を述べた。また、聴衆ら約200人に対する持ち物検査がないことなどに「昨年と比べて体制強化は見当たらない」とした。

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2023年4月17日のニュース