佐久間由衣 2回目の朝ドラ「らんまん」出演 「いま持っているものを精いっぱい」

[ 2023年4月17日 08:30 ]

連続テレビ小説「らんまん」で綾を演じる佐久間由衣(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK連続テレビ小説「らんまん」に主人公・槙野万太郎(神木隆之介)の姉・綾役で出演する俳優の佐久間由衣(28)が取材に応じた。

 朝ドラ出演は「ひよっこ」(2017年4月~9月)でヒロイン・みね子(有村架純)の幼なじみ・時子を演じて以来、2回目となる。

 「『ひよっこ』から巣立つ時、もっと力をつけてまた朝ドラに帰って来られたらいいなと思いました。今回のお話をいただいて、『ひよっこ』の時よりも自分の中の選択肢が増えた状態で臨みたい、これまで出演してきた作品で得た経験を基に『らんまん』と向き合いたい、燃え尽きるくらいに全力で挑もうと考えました」

 この6年で映画「“隠れビッチ”やってました。」(19年)、映画「君は永遠にそいつらより若い」(21年)に主演するなど、役者として経験を重ねてきた。

 「『ひよっこ』の時は闘牛のように真っすぐ走ることだけで精いっぱいでした。今は周りのスタッフさんや役者さんとお話させていただき、アイデアを聞きながら考える余裕を持てている気がします。ただ、やはり、昨日はできたお芝居が今日はできないということもあります。前進しているとは思いつつも、お芝居はその場の生ものなので、毎日、乗り越えている感じです。朝ドラも特別な作品なので意気込み過ぎているところもありましたが、もう少し自由に楽しむ気持ちも持ちつつ、後悔がないように、私がいま持っているものを精いっぱい出せたらいいなと思っています」

 クランクインを前に、主人公・万太郎のモデルとなった植物学者・牧野富太郎さんの故郷・高知を一人で3日間、訪れた。

 「土佐弁が難しいので、地元の人たちの言葉を聞きたいという思いがありました。タクシーの運転手さんや街ですれ違う人たちの言葉を聞いて耳を慣らせたらいいなと思いました。高知で感じたのは、天気の豊かさです。天気が変わる中で、いろんな種類の植物が生まれ、人間も自然とともにたくましくなるのかなと感じました。スーパーに行ったら、ほとんどの野菜が高知県産で、東京に住んでいると、その土地の野菜だけで成り立つことが想像できないので、魅力的だと思いました。自分の目で見て、肌で感じて、役としても自分自身としても感化されることがたくさんありました」

 演じる綾は気が強く、しっかり者で、弟の万太郎のことを誰よりも気にかけている。

 「神木さんは自然体で、常に少年の心を持って現場にいらっしゃいます。万太郎と重なると思う瞬間が多いので、そこから万太郎と綾の関係性のヒントをもらっています。綾は自分の思っていることを伝える意志の強さを持っていて、万太郎を叱ります。人を叱る愛情深さをどう表現したらいいのか考えつつ、お芝居をしています。高知の女性は元気でパワーがみなぎっている方が多い印象なので、演じていて弱くならないように、悩んだ時はエネルギーを出す方向にしようという意識があります」

 綾は幼い頃に酒蔵に迷い込んだことをきっかけに、酒造りに魅了される。

 「酒造りへの思いがより強くなるきっかけとなる恋模様のシーン、女性としても1人の人間としても成長するきっかけとなるシーンがあるので、ぜひ見ていただきたいです」

 弟を温かく見守り、家業への思いも強い綾の動向が今後の見どころの一つになる。
 
 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2023年4月17日のニュース