アニメ研究部 上坂すみれ

上坂すみれ 尽きぬ“ロシア愛”「先入観とのギャップが…」3次元でも両国懸け橋に

[ 2017年7月19日 10:00 ]

12日に8枚目のシングル「踊れ!きゅーきょく哲学」をリリースした上坂すみれ
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 12日に8枚目のシングル「踊れ!きゅーきょく哲学」をリリースした声優の上坂すみれさん(25)。声優を目指したきっかけや、いまや代名詞にもなっている、尽きることのない“ロシア愛”も語ってくれました。

 ファンからは「すみぺ」の愛称で親しまれ、今や、若手人気声優の一人として注目を集める存在。芸能界入りしたのは、小学生の時にスカウトされたことがきっかけ。もともとは子供モデルとして活動していたが、シニアに移行する中で「二次元へのあこがれが強く、声優さんにあこがれていたので」と、声優部門へ転向した。

 「何もないところからのスタートでしたので、最初は、何もできなかったのですが、なんとかしなきゃ、周りの人に追いつかなきゃ…とできることからやっていきました」。まず取り組んだのは「とにかく音読してみること」だった。「外郎売(ういろううり)」など滑舌練習の教本に載っている題目を片っ端から読んだほか、アニメを見ながら演じ方をイメージ。「実践することと考えることが多かったですね」と努力の日々を重ねた。

 そして12年1月に、アニメ「パパのいうことを聞きなさい」の小鳥遊空役で本格的に声優デビュー。現場では「声優の世界での作法」を学んだという。「マイクはテストと本番で同じ場所に入るとか、4本あるマイクに適当に入っていけないとか。それから、台本をめくるときに音を立ててはいけない、ガサガサ音がするような服を着ていかないとか…」などなど。台本への書き込み、マイクの前での立ち方など。先輩のそれぞれのスタイルを“いいとこ取り”し、今ではそれを現場で使い分けている。「正解がない感じですね。自分で“コレだ”ってコントロールすると、すべてが同じトーンになってしまうので、いろいろ柔軟にしようと心がけています」と打ち明けた。

 上坂といえば、ソ連・ロシアへの造詣が深いことでも知られる。高校時代、耳にしたソ連国歌「祖国が我らのために」に衝撃を受け、同国にハマった。「第一印象は、寒くて暗くて、おっかない国。でも20世紀初頭の『ロシア・アバンギャルド』のアートに新しさを感じたり、曲を聞いたら意外とテンションが高い国なのかもと気になりだして。先入観とのギャップが凄かった」。ロシア語の響きも上坂の心をとらえ、上智大学のロシア語科に入学して猛勉強。「授業を受けていると(同級生の)顔色がだんだん悪くなっていくんですけど、私は好きだったので大丈夫でした。1限からロシア語の科目だったりするとだいぶご機嫌でした」と茶目っ気いっぱいの表情で振り返る。

 人気アニメ「ガールズ&パンツァー」では、流暢なロシア語や、歌曲「カチューシャ」を披露。ネイティブ並みの発音に、ネット上ではロシア人も反応し「難しいのに上手に歌っている」「聴き心地が良い」などの声が上がったほどだ。

 戦車やミリタリー文化にも精通しているほか、現在は「三国志」にも没頭中。「“ロシアキャラ”というわけではないんです。時々飽きることもありますし(笑い)。ハマるジャンルには周期がありますから、いろんな趣味を開拓しています」。そう話すものの、ロシア愛がなくなることはない。現地で開催したイベントでは、日本から駆け付けた男性ファンと、現地の女性との心温まる交流を何度も見てきたという。「日本人の“モテモテ説”というか…。私にそこまであっせんする能力はないんですけど、もっと気軽に交流できれればいいとは思いますし、ロシアのイメージアップに貢献できればとも思います」。アニメで、歌で、イベントで…。2次元だけなく3次元の世界で、日露両国にどんな虹の架け橋をわたしてくれるだろうか。(中田 智子)

 ◇上坂 すみれ(うえさか・すみれ)1991年12月19日生まれ。神奈川県出身。2012年1月「パパのいうことを聞きなさい!」で本格的に声優デビュー。15年の第10回声優アワードでは新人女優賞を受賞した。13年4月期放送のアニメ「波打際のむろみさん」の主題歌「七つの海よりキミの海」で歌手デビュー。ファンからは「すみぺ」の愛称で親しまれ、ソ連・ロシアへの造詣が深いことでも有名。14年に上智大学外国語学部ロシア語科を卒業。趣味の一つに、東京・中野ブロードウェイ散策。

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