阿部一二三を鍛え上げた信川厚総監督の強化策 神港学園高で“8年間”の特別扱い

[ 2021年7月26日 05:30 ]

東京五輪第3日 柔道男子66キロ級決勝 ( 2021年7月25日    日本武道館 )

兄と妹で同日に金メダル獲得が決まって喜ぶ、神港学園高で柔道の阿部一二三を指導した信川厚さん(左端)
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 6歳で柔道を始めた阿部一二三が、担ぎ技で圧倒する柔道スタイルを築き上げたのが兵庫・神港学園高での“8年間”だった。信川厚総監督(56)は「阿部シフト」と呼ばれる強化策で鍛え上げた。

 小5から同校で稽古を始めた一二三を、とにかく特別扱いした。シニアの大会前、夏場も道場を閉め切ってストーブをたき、一二三だけに2分交代でフレッシュな選手を当てていく。関東や九州にも出稽古に連れていき、一二三が憧れる野村忠宏氏にも稽古をお願いした。

 世界選手権は17年の初出場から2連覇。招かれる形で現地で観戦した信川氏の元に、一二三は金メダルを持参したという。そのたびに、「俺がかけてもらいたいのは、それじゃないから」と伝えた。苦難を乗り越えた愛弟子は、ついに願うメダルを獲得した。

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