大橋「信じて良かった」 対立した平井コーチとの“決別危機”乗り越えた

[ 2021年7月26日 05:30 ]

決勝前の練習で、平井伯昌監督(左)と話す大橋悠依
Photo By 共同

 女子400メートル個人メドレー決勝で、大橋悠依(25=イトマン東進)が4分32秒08で優勝し、この種目で日本勢初の金メダルを手にした。

 7カ月前、大橋は危機的状況に陥っていた。昨年12月の日本選手権を欠場。表向きは「体調不良」と説明されたが、実は平井伯昌コーチ(58)との関係悪化が本当の理由だった。海外遠征から帰国後の11月下旬に練習拠点で新型コロナ感染者が出て、プールが一時閉鎖。その間の練習場所を巡り、大橋の希望が平井コーチに受け入れられず意見が対立した。

 決別へ傾いた大橋は所属契約を結ぶイトマンのコーチに師事を打診したが、平井コーチとの関係を重視する先方に断られた。日本選手権中は滋賀県に帰郷。東京に戻っても、萩野らのいる“平井チーム”に合流せず、母校・東洋大の学生と練習した。状況を見かねたチームメートの清水咲子(29=ミキハウス)が仲介し、1月に関係修復。関係者は「清水さんに言わせると“どっちもどっち”だったそうです」と説明する。

 平井コーチは平泳ぎ五輪2大会連続2冠の北島康介氏らを育てた金メダル請負人。高校時代まで無名だった大橋のスケールの大きな泳ぎに才能を感じ、東洋大に勧誘した。何度もぶつかりながら世界一に導き「365日、信頼があったわけではないが、悠依はよく頑張ったし、俺もよく頑張った。報われて良かった」と笑顔。大橋は「周りの選手たちは“平井先生は五輪に強いから信じれば大丈夫”と言ってくれていた。信じて良かった」と実感を込めた。

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