大野将平 美しい日本柔道で連覇! 古賀さん、見てくれましたか 日本武道館で三四郎になった

[ 2021年7月26日 19:33 ]

東京五輪第4日 柔道男子73キロ級 ( 2021年7月26日    日本武道館 )

<東京五輪・柔道柔道男子73キロ級>金メダルを獲得し、気迫の表情の大野将平(撮影・小海途 良幹)
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 柔道男子73キロ級の大野将平(29=旭化成)が、決勝戦でシャフダトゥアシビリ(ジョージア)を破り、金メダルに輝いた。16年リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得し、今回の柔道代表では唯一となる五輪2連覇を達成。日本選手では、斉藤仁、野村忠宏(3連覇)、谷(田村)亮子、内柴正人、谷本歩実、上野雅恵に次ぐ7人目の快挙となった。

 試合終了後の礼をすると、大野は天を仰いだ。決勝は9分25秒の大激戦。組み手争いで嫌がるシャフダトゥアシビリとは、延長戦までもつれ込んだ。大野も延長で指導を2つ受ける展開となったが、最後は支釣込足で技ありを奪い、決着をつけた。

 強さを表現する言葉が見当たらないほど強かった。準々決勝まではオール一本勝ち。しっかりと組んで相手に重圧をかけて、リオ五輪「銀」のオルジョフ(アゼルバイジャン)に対しても力の差を見せつけた。準決勝はツェンドチル(モンゴル)に逃げられ、延長戦に入ったが、最後は逃さなかった。

 たとえ連覇がかかっても、単なる勝利だけを追い求めない。「正しく組んで、正しく投げる」。こだわりは、美しい日本の柔道だ。力任せの投げ技が“主流”となった世界の柔道に「柔よく剛を制す」の精神はない。「古き良き時代の日本の柔道を畳の上で表現したい」という。

 柔道私塾「講道学舎」の先輩でもあり、バルセロナ五輪柔道男子71キロ級金メダリストの古賀稔彦さん(享年53)の訃報は、重く受け止めた。「古賀先輩は『柔よく剛を制する』という言葉を一番体現した柔道家だと思います。私が無差別の全日本選手権に憧れ、挑戦し続けるのも平成の三四郎と呼ばれた古賀先輩の影響です」。体重無差別で行われ、日本で最も権威ある大会とされる全日本選手権は、聖地・日本武道館での開催。だから、同じ会場の東京五輪で負けることは、あり得ない。「平成の三四郎と呼ばれた古賀先輩と同じ階級の選手として『三四郎』と呼ばれる柔道家を目指す決心をし、東京オリンピック、全日本選手権に挑戦していきます」。先輩のご冥福を祈り、自らへの誓いとした。

 出場予定だった3月のGSタシケント大会は、左大腿部筋損傷で回避した。実戦は昨年2月のGSデュッセルドルフ(ドイツ)大会が最後で、1年5カ月のブランクを経てぶっつけの五輪だった。前哨戦を経ずに本番へ。しかし、大野には障壁とならなかった。目指すのは柔道史上、最強の男であり、絶対的な存在。令和の三四郎へ、歩みを止めるわけにはいかない。

 ◆大野将平(おおの・しょうへい)1992年(平4)2月3日生まれ、山口市出身の28歳。7歳で競技を始め、中学から柔道私塾・講道学舎に入門。世田谷学園―天理大。13、15年の世界選手権を制し、16年リオ五輪で金メダル獲得。17年は一時競技を離れ、本格復帰した18年はアジア大会優勝。19年の世界選手権は初戦から6試合オール一本勝ちで4年ぶりに制覇。旭化成所属。得意技は大外刈り、内股。右組み。1メートル70。

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