スケボー女子・西矢椛 涙の金メダル「みんながおおーって」 13歳10カ月 日本人最年少メダリスト誕生

[ 2021年7月26日 13:43 ]

東京五輪第4日 スケートボード女子ストリート ( 2021年7月26日    有明アーバンスポーツパーク )

<スケートボード女子ストリート>予選に臨む西矢(撮影・会津 智海)
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 スケートボード女子ストリートの西矢椛(13=ムラサキスポーツ)が金メダルを獲得した。

 決勝では、各45秒間を2回滑る「ラン」では、3・02点、2・91点だったが、1カ所を選び大技を繰り出す「ベストトリック」で、3回目に4・15点、4回目に4・66点を出し逆転。5回目も3・43点を出し、合計15・26点だった。

 金メダルが決まった瞬間、ぽろぽろと涙を流して喜び「うれしいです!」と充実の表情。終始楽しそうな姿に「みんながおおーって言ってくれて、それが楽しいから」と笑顔を弾けさせた。さらに、最年少メダリストの記録を樹立したことに「最新記録だと思うんですよ、だからうれしい」と胸を張った。

 13歳10カ月のメダル獲得は1992年バルセロナ大会競泳女子200メートル平泳ぎで優勝した岩崎恭子の14歳6日を抜き、日本史上最年少の五輪メダリストとなった。

 練習に付き添う両親のアドバイスやSNSなどで海外選手の動画を研究し、自然と力を伸ばした逸材。6月の五輪予選大会最終戦の世界選手権では2位に入り、日本勢5番手から逆転で五輪切符を獲得した。大人顔負けの高難度トリックを次々と繰り出す西矢は、代表入りに「うれしいけど実感が湧かないです」とはにかんだ。

 五輪の1年延期は彼女にとって追い風になった。成長期で身長が3センチ伸びて1メートル55となり、ダイナミックな滑りが出来るように。「世界で知らない人がいないくらい有名になりたい」と語る西矢。スケートボードという種目が初採用される東京五輪の金メダルは大きな夢の一つ。「笑顔で楽しく滑って、金メダルを獲りたい」と初代王者に懸ける思いを口にしていた。13歳11カ月で迎える五輪本番。悲願のメダルをつかんだ。

 ◇西矢 椛(にしや・もみじ)2007年(平19)8月30日生まれ、大阪府松原市出身の13歳。松原西小―松原中在学中。父と兄の影響で7歳から本格的にスケートボードを始める。19年に世界トッププロが集まるXゲーム米国大会で銀メダル獲得。21年世界選手権は2位。ムラサキスポーツ所属。1メートル55、40キロ。

 スケートボードの持ち時間は45秒。選手は1人ずつ滑って得点を競う。五輪で行われる種目は、街なかにある坂や手すりに似せた障害物を設置したコースで競う「ストリート」と、複雑な窪地状のコースで競う「パーク」の2つ。ジャンプや回転などの技(トリック)に挑み、トリックの難易度や成功率、スピードの他に、全体の流れやオリジナリティーなども考慮して審査員が得点を付ける採点競技。技の順番は自由で、途中で転倒しても時間内であればそのまま競技は続けられる。

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