【重量挙げ】星奈津美さん 戦い抜いた三宅宏実の覚悟と「1年延期」の重さ
Photo By スポニチ
【メダリストは見た 星奈津美さん】重量挙げ女子49キロ級の三宅宏実(35=いちご)の5度目の五輪は記録なしに終わった。12年ロンドンで銀、16年リオデジャネイロで銅と五輪で2つのメダルを獲得した第一人者は引退を表明した。競泳女子200メートルバタフライ2大会連続銅メダリスト星奈津美さん(30)は親交のある三宅の最後の試技をテレビで見守り、ベテラン選手にとっての「1年延期」の意味の重さに思いをめぐらせた。
残念な結果だったかもしれませんが、本当に素敵な五輪でした。印象的だったのは試技で失敗した時、悔しさよりも少し笑顔のようなものが見えたことです。やりきった、ここまでやってきてよかった、という思いが表情から伝わってきました。
お父さんの義行さんが「よく頑張った」と称える姿もジーンときて、涙が出ました。三宅さんの「最後にメダルをかけてあげたかった」という言葉からは、お父さんへの感謝の気持ちが伝わってきました。私も五輪のような大きな舞台に立つと、家族やコーチの支えがあったからここまでこられたという感謝の思いがこみ上げてきましたが、三宅さんの場合、最も近くで支えてくれた家族でありコーチであるお父さんへの思いは特別なものがあったと思います。
私には父がコーチという経験はありません。ただ、練習場から家に帰ってもずっと一緒にいるとなると、難しいこともたくさんあっただろうなと想像します。でも信頼できるお父さんなしではここまでの結果は残せなかっただろうし、ここまで競技を続けることもできなかったと思います。その関係性をなんだかうらやましく思うところもありました。
35歳で5度の五輪出場は本当に偉業だと思います。私が現役の時、ナショナルトレーニングセンター(NTC)で会うといつも膝などにテーピングを巻いていました。リハビリ室で会うことも多かった。いつも満身創痍(そうい)だった印象です。私はケガや故障は少なかったのですが、大学を卒業して社会人になった頃から疲労が取れづらいと感じるようになりました。若い頃は一晩眠れば、体はラクになったのに、寝たのに疲れが増すこともありました。自分が35歳で競技するなんて想像がつきません。
私はリオデジャネイロ五輪が終わって26歳で引退しました。次の五輪が東京開催ということで正直なところ迷いはありました。ただ東京五輪では30歳で競泳ではかなりのベテランになる。もうあと4年とは考えられなかった。やりきったと思えたので、悔いなくやめることができました。
三宅さんは東京開催だから現役を続けたと聞きました。ただこの延期の1年はどんな思いで競技に取り組んできたのでしょうか。選手は「この1年をプラスに考える」と言うしかなかったと思います。若い選手なら言葉通り、強化する時間が増えたとプラスにとらえることができたと思います。しかし、ベテラン選手にとっては衰えていく肉体との戦いで、維持するだけでも大変だったと思います。中には延期によって、引退を決断したベテラン選手もいました。難しい時間だったと思います。それでも三宅さんが続けてこられたのは純粋に競技への思いもあったと思いますし、重量挙げという競技をずっと引っ張ってきた使命感のようなものもあったのかもしれません。覚悟があったんだなと思います。そんな三宅さんが東京五輪の舞台で戦う姿を見て、感動したり、勇気をもらったという声を多く聞きました。五輪は結果だけじゃない、結果がすべてではないということをあらためて感じました。
三宅さんは5歳年上ですが、同じ埼玉県出身で、県の壮行会などでよく一緒になりました。最後に会ったのは3年前のトークイベントですが、「元気してた?」と気にかけてくれました。普段の三宅さんは凄く可愛らしい方です。NTCの大浴場で一緒になった時、重量挙げの選手たちと恋バナで盛り上がっているのを見たこともあります。これからの第二の人生も楽しんでほしいなと思います。
実は一つ悔やんでいることがあります。リオ五輪の後、三宅さんに「(レスリングの)吉田沙保里さんと(柔道の)杉本美香さんと一緒にディズニーランドに行くから、来ない?」と誘われたことがあったのですが、スケジュールが埋まっていて、行けませんでした。そのメンバーと一緒なら、絶対楽しかったと思います。今度はぜひ一緒に行きたいです。三宅さん、本当にお疲れさまでした。
◇星 奈津美(ほし・なつみ)1990年(平2)8月21日生まれ、埼玉県出身の30歳。春日部共栄―早大。1歳半からベビースイミング教室に通い、水泳を始める。高校では1、2年でインターハイ連覇。3年生だった08年には高校新記録を出し、北京五輪に出場。12年ロンドン五輪、16年リオ五輪では200メートルバタフライで2大会連続の銅メダルを獲得。16歳の時にはバセドー病を患い、一時は競技から離れるも、苦難を乗り越え復帰した。
スポーツの2021年7月26日のニュース
-
八村塁、20得点の奮闘も「経験の差が出た」バスケ日本初戦黒星
[ 2021年7月27日 00:19 ] 五輪
-
敗戦の中に見え隠れしている八村の「近未来」 3点シュートの試投11本はプロ入り後の最多
[ 2021年7月26日 23:42 ] 五輪
-
「愛ちゃ~ん、やりました!」卓球界悲願の金メダルを“みまじゅん”が福原愛さんに報告
[ 2021年7月26日 23:38 ] 卓球
-
“みまじゅん”金に地元の静岡・磐田も燃えた 市役所でPV、伊藤の恩師がエール&祝福
[ 2021年7月26日 23:34 ] 卓球
-
水谷隼・伊藤美誠で日本の金メダル獲得数は計8個に 2位米国を抜いて単独1位
[ 2021年7月26日 23:08 ] 卓球
-
水谷隼・伊藤美誠の「金メダル」 世界のトレンド1位に「水谷選手」「あと1ゲーム」も上位に
[ 2021年7月26日 22:57 ] 卓球
-
水谷隼・伊藤美誠が日本初の金!卓球全種目で中国以外の国が優勝するのはアテネ以来4大会ぶり
[ 2021年7月26日 22:57 ] 卓球
-
日本善戦及ばず W杯優勝のスペインに敗れる 八村20得点&渡辺19得点
[ 2021年7月26日 22:43 ] 五輪
-
卓球界の悲願かなえた金メダル 笑顔満開の伊藤美誠「すんごくうれしい」水谷隼「今までのリベンジできた」
[ 2021年7月26日 22:31 ] 卓球
-
水谷隼・伊藤美誠が金メダル 中国ペア倒し混合ダブルス初代王者 “きょうだい”が卓球界の悲願達成
[ 2021年7月26日 22:23 ] 卓球
-
アーチェリー銅・古川の「心がぴょんぴょん」にネット騒然 アニメOP曲のフレーズ?「驚きでしかない」
[ 2021年7月26日 22:14 ] アーチェリー
-
体操ニッポン団体連覇ならず銀メダル、内村航平に黄金の輝き見せられず
[ 2021年7月26日 22:10 ] 体操
-
バレー男子日本代表、カナダ下し開幕2連勝! 西田がチーム最多23得点の大暴れ
[ 2021年7月26日 22:10 ] バレーボール
-
男子バスケ日本代表 スペインに20点リード許して後半へ!ネットでは後半に期待する声「最後まで頑張れ」
[ 2021年7月26日 21:45 ] バスケット
-
無観客なのに…卓球の混合ダブルス決勝に“謎の中国応援団”
[ 2021年7月26日 21:25 ] 卓球
-
フェンシング・敷根崇裕は4位 太田雄貴以来の個人メダルにあと一歩届かず…
[ 2021年7月26日 21:22 ] フェンシング
-
石川佳純 9年ぶり五輪シングルス1勝! リオの“屈辱の記憶”よぎるも…「経験生きた」
[ 2021年7月26日 21:20 ] 卓球
-
瀬戸大也「ネットでいろいろ言われてむかつきますけど」 批判を力に変え、自らの戦い方貫く
[ 2021年7月26日 21:13 ] 競泳
-
【優勝インタビュー】連覇の大野将平「“自分は何者なのか”と証明する戦いができた」
[ 2021年7月26日 20:42 ] 柔道
-
日本フェンシング界の「エース」敷根はメダルを逃す 3位決定戦で「格下」にまさかの完敗
[ 2021年7月26日 20:28 ] フェンシング
















