卓球界の悲願かなえた金メダル 笑顔満開の伊藤美誠「すんごくうれしい」水谷隼「今までのリベンジできた」

[ 2021年7月26日 22:31 ]

東京五輪4日目 混合ダブルス決勝 ( 2021年7月26日    東京体育館 )

<卓球混合ダブルス決勝>中国ペアを倒し、金メダルを獲得した伊藤と水谷(撮影・会津 智海)
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 世界ランク2位の水谷隼(32=木下グループ)伊藤美誠(20=スターツ)の“みまじゅん”ペアが金メダルに輝いた。混合ダブルス決勝で第1シードの許キン、劉詩ブンの中国ペアと対戦し、4ー3で下した。今大会から新種目となった混合ダブルスの初代王者となるとともに、1988年ソウル五輪から正式競技となった卓球界に男女通じて初の金メダルをもたらせた。

 ようやく中国を倒しての頂点。「本当に中国に今までたくさん五輪、世界卓球で負けてきて、この東京五輪で今までのすべてのリベンジができたと思う。本当にうれしい」と水谷が話せば、伊藤は「すんごく、うれしいです。日本代表の選手、スタッフさんの応援だとか、すごくて応援してくださっているので、最後まであきらめずにできた。すごい最後まで楽しかったです」と満開の笑顔で語った。

 25日の準々決勝・ドイツ戦は最終ゲームで6―10とマッチポイントを握られたが、16―14と大逆転を果たした。勢いそのままに同日夜の準決勝は世界ランキング1位の台湾ペアを4―1と圧倒して決勝進出。確かな自信と2人の絆で、決勝で卓球王国の中国ペアをも倒した。

 2ゲームを先取されたが、第3ゲームから攻撃的なプレーで逆転しての勝利。水谷は「3ゲーム目。0─2になったとき流れが悪くて。でも、3ゲーム目を取れたことによって、そこから流れが来た」と話した。

 ともに静岡県磐田市出身。結成は2年前だが、水谷の父・信雄さんと母・万記子さんらが設立した「豊田町卓球スポーツ少年団」で出会い、15年以上の付き合いがある。伊藤は「お兄ちゃん的存在で、あこがれの選手」とし、水谷も「本当に力を付けてきた」と信頼してきた。きょうだいのような2人が、ペアとして初めて臨んだ五輪で、頂点に立った。

 「本当にすごく楽しくミックスダブルス終えられたので、明日のシングルスにしっかり気持ちを切り替えて、明日に備えたいと思います」と伊藤。女子シングルス、団体へ、大きな1歩を踏み出した。

 ◇水谷 隼(みずたに・じゅん)1989年6月9日生まれ、静岡県磐田市出身の32歳。五輪は08年北京五輪から今回の東京五輪で4大会連続出場。16年リオデジャネイロ五輪では、日本勢初の個人種目表彰台となるシングルス銅メダル。全日本選手権は最多の10度制覇。

 ◇伊藤 美誠(いとう・みま)2000年(平12)10月21日生まれ、静岡県磐田市出身の20歳。2歳から卓球を始める。磐田北小卒業後に大阪に移り住み、大阪・昇陽中、昇陽高卒。15年ドイツオープンで、ワールドツアーの最年少優勝記録(14歳152日)を樹立。16年リオ五輪の団体銅は、卓球競技の最年少メダル(15歳300日)。世界選手権団体で銀メダル2回。18、19年の全日本選手権で 女子初の2年連続3冠を達成した。

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