磨き上げた“武器”内村航平、出陣 中村俊輔FKのように美しく

[ 2021年7月24日 05:30 ]

内村がスポニチ本紙に寄せた決意
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 体操男子の種目別鉄棒に出場する内村航平(32=ジョイカル)が、24日午後2時30分スタートの予選で3大会連続の金メダルへ発進する。五輪連覇の個人総合ではなく、得意種目に絞って立つ夢舞台。昨年2月に下した重大な決断で脳裏をよぎったのは、サッカー元日本代表で横浜FCのMF中村俊輔(43)の言葉だった。

 体操界のキングが、数々の伝説を残したフットボーラーの言葉に耳を傾けていた。

 16年12月にプロ転向した内村は、中村らと同じマネジメント会社と契約。“同僚”となり17年1月に実現した対談で、当時38歳の中村は言った。

 「FKという武器があって、本当に助かったよ」

 左足が描く精密な軌道のように、オンリーワンの「武器」を持つ。それが、現役を長く続ける秘訣(ひけつ)だった。

 当時28歳の内村は、個人総合を主戦場とするオールラウンダーだった。6種目全てを武器にしていたが、対談から2年3カ月後の19年4月、競技人生最大の挫折を味わうことになる。深刻な両肩痛を抱えたまま全日本選手権に臨み、まさかの予選落ち。東京五輪はイメージすら湧かない「夢物語」と吐き捨てた。

 20年2月、重大な決断を下した。東京五輪を見据え、個人総合ではなく鉄棒一本で勝負する。心が定まった時に思い出した。あの時の中村の言葉を。そして、改めて認識した。唯一無二の武器を持つ重要性を。

 「俊輔さんが言っていたことが分かった」

 H難度の大技「ブレトシュナイダー」を完璧に習得するなど、15年世界選手権を制した鉄棒という「武器」を磨いた。国内選考会でハイスコアを並べた先に、夢舞台は待っていた。

 約1分に積み上げてきた全てを注ぎ込む。自身初となる五輪種目別のタイトルが懸かるがあえて「金メダル」とは口にしない。スポニチ本紙に寄せた直筆の目標はシンプルだった。「自分の満足する演技」――。中村のFKのように美しく精密に。心から満足した時、キングは黄金の勲章を手に入れる。

 ▼横浜FC・MF中村俊輔 今までの個人総合ではなく、内村君の武器である鉄棒一本で臨む中で、体操を楽しみながら内村君の生きざまや価値を示せる演技ができることを願っています。頑張ってください!

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