渡名喜 号泣銀メダル お家芸の「YAWARA」階級であと一歩頂点届かず、悔し涙止まらず

[ 2021年7月24日 19:06 ]

東京五輪2日目 柔道女子48キロ級 ( 2021年7月24日    日本武道館 )

<柔道女子48キロ級決勝戦>決勝で敗れ銀メダルを獲得した渡名喜(撮影・会津 智海)
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 柔道女子48キロ級の渡名喜風南(25=パーク24)が、決勝でコソボ選手のクラスニチと対戦し敗れた。04年アテネ五輪の谷亮子以来となる同級での金メダルを目指したが、あと一歩のところで及ばなかった。

 渡名喜は初戦となった2回戦を順当に突破し、準々決勝ではリオデジャネイロ五輪金メダルのパレト(アルゼンチン)に腕ひしぎ十字固めで一本勝ち。さらに準決勝でウクライナ選手のビロディドを延長戦の末に破り、メダルを確定させていたが、決勝は3分41秒に内股で技ありを奪われて万事休す。試合後のインタビューでは「自分の弱さが出た試合だったなと思います。最近ずっと決勝で勝ててなかったので怖さがあった中での戦いでした。やはり自分の弱さが出たと思う。しっかりこの負けを認めたい」と話し、涙が止まらなかった。

 一方で「ここまでコロナですごい大変な中、たくさんの方が最後までサポートしてくれたので感謝の気持ちでいっぱいです」と、支えてくれた周囲に対して感謝の気持ちを表した。

 かつては谷(田村)亮子が君臨し、2000年シドニー、04年アテネ五輪と連覇を達成。「YAWARA」の名前は世界にとどろいた。男子の野村忠宏と並んで、軽量級は「お家芸」とも呼ばれるほど日本柔道界をけん引してきた。だが、谷が08年の北京五輪で銅メダルに終わると、12年のロンドン五輪は福見友子が5位、16年のリオデジャネイロ五輪は近藤亜美が銅メダル、と頂点から遠ざかってきた。4大会ぶりの金メダル獲得を期待された今回だったが、残念ながら銀に終わった。

 渡名喜は、帝京大4年の17年に世界選手権を初出場制覇。48キロ級はリオ五輪銅メダルの近藤亜美とのライバル関係が続いたが、18、19年の世界選手権銀メダルと実績を積み東京五輪の代表権を射止めた。足技と寝技を駆使し、安定感のある柔道で頭角を現しただけに、“雪辱”にも期待がかかる。

 ◆渡名喜風南(となき・ふうな)1995年(平7)8月1日生まれ、神奈川県相模原市出身の25歳。格闘技好きが高じて小3から相武館吉田道場で柔道を始め、東京・修徳高3年の高校総体決勝で準優勝。14年に帝京大に進学し、15年の世界ジュニア選手権で優勝。17年世界選手権で初出場初優勝。18、19年は銀メダル。パーク24所属。得意技は小外刈り、背負い投げ。左組み。1メートル48。

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