ウクライナ出身の政治学者グレンコ氏「戦場で優位になった方が交渉でも優位…非常に悲しい現実が」

[ 2022年3月3日 13:04 ]

フジテレビ社屋
Photo By スポニチ

 ウクライナ出身の政治学者、グレンコ・アンドリー氏が3日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。ロシアのウクライナへの侵攻について言及した。

 ロシア軍は1日にウクライナの首都キエフのテレビ塔を攻撃。第2の都市、東部ハリコフでも2日、中心部の大学と警察庁舎がミサイル攻撃で損壊し炎上した。ロシアは主要インフラを標的にすることで圧力を強め、停戦交渉を有利に進める狙いとみられる。ウクライナ非常事態庁は2日、ロシアの攻撃でこれまでに民間人2000人以上が死亡したと発表した。

 MCの谷原章介が「かなり切迫してる状況が見えておりますけども、仮に2回目の協議が行われるとして、どういったものになりそうでしょうか」と聞くとアンドリー氏は「近く(交渉が)行われた場合は、おそらくまた結果がないまま終わると思います」と言い、その理由を「今週はずっとこんな状況が続いているんですが、ウクライナは自由と独立を守りたいのに対して、ロシアはウクライナを完全に支配したい。つまり全土を制圧して、その上で親ロシアの傀儡(かいらい)政権をつくりたいという意図は明らかなんですね。そういう形で支配したい勢力と独立を守りたい勢力の間で妥協点にたどり着くのはこの時点では不可能なんですね。あまりにも離れすぎているから。なので結局、残念ですがしばらく戦闘行為が続いて、戦闘行為の結果によって次の話し合いになると思います」と説明。

 その上で「これも繰り返しになりますけど、戦場で優位になった方が交渉でも優位になるという非常に悲しい現実が迫ってくると思うので、ここで国際社会がやるべきことは、軍は出さないと言ってるのでそれは仕方がないことですね。これはどんなに嘆いてもおそらくこの状況で出さないと思うんですけど、ただ軍を出す以外のすべての手段をやる尽くすべきですね」と訴えた。

 そして、「それをやり尽くすために世論の力が必要で、みんなで西洋諸国に対して軍を出すこと以外のすべてをやり切るように言って、もしやり切ったら私はこの1週間の傾向からすると、NATO側は軍を出すこと以外でも、すべての手段をやり尽くしたらロシアを食い止めることは可能だと思うので、そのためにも動くべきだと思います」と自身の考えを述べた。

続きを表示

2022年3月3日のニュース