岩井志麻子氏 ウクライナ&ロシア舞台の名作漫画に思い「50年たってこんな気持ちになるとは」

[ 2022年3月3日 18:24 ]

作家の岩井志麻子氏
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 作家の岩井志麻子氏(57)が3日、TOKYO MX「5時に夢中!」(月~金曜後5・00)に生出演し、ロシアのウクライナ軍事侵攻と自身の幼少時の経験を重ね、複雑な思いを口にした。

 番組では、北京冬季パラリンピックに出場予定だったウクライナ人のバイアスロン選手が、第2の都市ハリコフでロシア軍の爆撃によって死亡したニュースを紹介。国際パラリンピック委員会がロシア、ベラルーシ両国に同大会出場を認めないことを発表したニュースと、併せて伝えた。

 岩井氏は「スポーツと政治とそういうものを一緒にしていいものか、悪いものか、議論は尽きない」とコメント。一方で、「子供のころ、『アラベスク』って漫画が大好きで。山岸涼子さんの傑作、名作の一つなんですけど、何か引っかかっていて。相当昔に読んだんですけど、あらためて開いてみた」と明かした。

 「アラベスク」は1970年代の作品で、当時はロシア、ウクライナともにソ連の一部という時代背景だった。岩井氏は「主人公のノンナってバレリーナが、ソビエト連邦ウクライナ共和国キエフ出身っていう設定なんですよね。それが、レニングラード(現ロシア・サンクトペテルブルク)のすてきな男性ダンサーに見いだされて…というスポーツと恋愛が絡んだ、いい物語なんですよ」と解説した。

 ロシアとウクライナを結ぶ、愛の物語を、当時の岩井氏は心躍らせて読んでいたという。「あのころの私には、こういう未来が待っているとは想像できなかった。悲しいですね。ああいう美しい物語、ウクライナとロシアが仲良くしていた素晴らしい物語、子供に夢を見させる物語、こういうのはもう作れないのかなあ…ってなると、50年たって読み返してこんな気持ちになるとはな、としみじみしている」と悲壮感を口にした。

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2022年3月3日のニュース