銀行の金融アナリストからプロ野球に再挑戦、メッツの26歳フィッシャーが3回無失点メジャーデビュー

[ 2022年8月23日 10:05 ]

メッツの新人左腕ネイト・フィッシャー(AP)
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 メッツの新人左腕ネイト・フィッシャー(26)が21日(日本時間22日)、フィラデルフィアでのフィリーズ戦でメジャーデビュー。2番手で3回無失点の好投で10-9の勝利に貢献した。20年、新型コロナウイルスの感染拡大でマイナーリーグのシーズンがキャンセルされ、職を失った選手が遠回りしながらようやく夢をかなえたと、MLB公式サイトなど複数の現地メディアが報じている。

 19年、大卒でドラフト外でマリナーズとマイナー契約。その年1Aで防御率4点台で、他のマイナーリーガー同様、20年から少しずつメジャーへの階段を登っていくつもりだった。ところが新型コロナでシーズンがキャンセルになり、その年の5月に解雇された。仕方なく、大学のコーチの口利きで故郷ネブラスカの地元の銀行に就職、金融アナリストとして働き始めた。23歳だった。「コロナで先のことはわからない。また野球をやる機会があるかどうかも不明だった」と地元紙の記者たちに説明している。

 しかし21年再びマリナーズから声がかかると、6月にマイナー契約。ルーキーリーグから3Aまで転々としながら防御率2・89の好投を見せた。そのオフ、メッツとマイナー契約し、今季は2A、3Aで投げ、週末にコールアップされた。そして21日にメジャー初登板。4-7と負けている展開だったが、3回無失点で逆転勝ちにつなげた。途中雨で46分の中断もあったが、マウンドに立ち続けた。

 試合後ヒーローは「自分を信じ続けた。家族や周囲のサポートも大きかった。先のことは全く分からないのに野球を続けさせてくれたみんなに感謝したい」と話した。スタンドにはネブラスカに住む家族や友人が駆けつけていた。2本の本塁打で打のヒーローとなったメッツのキャンハは「彼がマウンドに上がった時、誰なのか知らなかった。それが素晴らしいピッチング。すごいね」と新しいチームメートを祝福していた。

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2022年8月23日のニュース