コロナ下でも完走できた甲子園新時代 収束後も選手入れ替えシステムは継続を

[ 2022年8月23日 04:05 ]

第104回全国高校野球選手権第14日・決勝   仙台育英8―1下関国際 ( 2022年8月22日    甲子園 )

甲子園球場
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 【大会総括】今大会も新型コロナウイルスの影響は避けられなかった。だが、コロナ下の20年以降では、21年選抜以来、3大会ぶりに出場辞退校を出さず、全49校が無事出場した。

 開幕前に浜田(島根)、帝京五(愛媛)、有田工(佐賀)、九州学院(熊本)の4校が集団感染。大会本部は回復までの期間を考慮し、抽選の時点で登場が第8日になるように変更した。その後、県岐阜商も集団感染となったが、感染予防ガイドラインを一部改定し、10選手を入れ替えて試合に臨み、辞退という最悪の結果は免れた。コロナ収束後も、選手の健康面を重視するのであれば、この選手入れ替えシステムは継続を検討してもいいだろう。

 仙台育英(宮城)の須江航監督の優勝インタビューは、印象的だった。「青春は凄い密。そういうものが全てなくなった。活動していてもどこかでストップがかかる」とコロナ下の若者の苦しさを涙ながらに訴えていた。

 3年ぶりにブラスバンド応援も本格的に復活。市船橋(千葉)「市船soul」、国学院栃木の「新世界より」なども話題を集めた。アルプスも本来の姿を取り戻しつつある。(アマ野球担当キャップ・田中 健人)

 【大会アラカルト】

 ☆順延なし 準々決勝で第1試合の開始時間が遅れたことはあったが順延はなし。18年以来4年ぶりに予定通りの日程消化となった。

 ☆本塁打 総本塁打数は28本。昨年の36本から8本減少した。土屋(鶴岡東)、浅野(高松商)が1大会3本塁打。2人以上の1大会3本塁打は18年の藤原、根尾(大阪桐蔭)がともに3本塁打して以来4年ぶり。

 ☆完封 48試合のうち完封試合は6試合。昨年から4試合減少した。完投完封は宮原(海星)、直江(九州学院)、川原(大阪桐蔭)の3人のみ。昨年は2度マークした渡辺(盛岡大付)を筆頭に8人が記録、10試合のうち9試合が完投完封だった。

 ☆サヨナラ&延長 サヨナラ試合は4試合で昨年の8試合から半減。延長戦は昨年と同じ2試合で12回試合は0。2大会連続でタイブレークもなかった。

 ☆東北勢 仙台育英が悲願の初優勝、聖光学院も4強入りした。東北6県のうち5県の初戦突破は13、14年に次ぐ8年ぶり3度目の史上最多タイだった。

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2022年8月23日のニュース