仙台育英が母校凱旋 須江監督「皆さんの祈る思いがどんどん大きくなって“東北で一丸で勝つ”雰囲気に」

[ 2022年8月23日 17:20 ]

<仙台育英優勝報告会>あいさつする須江監督 (撮影・光山 貴大)
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 第104回全国高校野球選手権大会で、東北勢として初優勝した仙台育英(宮城)ナインが23日、仙台市の学校に凱旋し、快挙を報告した。甲子園優勝後、「青春って凄い密」の涙ながらのスピーチで話題になった須江航監督は、再び熱いメッセージを届けた。報告会でのあいさつは以下の通り。

 ▼須江航監督 生徒のみなさんは長期の滞在で疲労困憊だと思うんですけども、一緒にこういう会に参加してもらって本当にありがとうございます。いま、キャプテンから堅苦しいあいさつがあったので、ちょっと普通にみんなと話してみようと思います。

 応援のみなさん、甲子園はどうでしたか。暑かったですか。1回戦に出発したときにこんなに長くいると思っていましたか。多分、宮城県のみなさんもですし、自分達は優勝するぞという目標を立てて信じていましたけど、多分最後までいると具体的なイメージを描いていた人はあんまりいないんじゃないかなと思います。そういう中で一戦一戦、持っているものを出しきるぞ、とか、一戦必勝だぞ、というふうに思わせてくれたのはみなさんのおかげです。吹奏楽部の音楽がちゃんと聞こえているときは監督もスクイズのサインをミスらなかったりするんですね。ちょっと集中しすぎちゃってあんまり音が聞こえていないときには周りが見えていない。球場の雰囲気って本当にあるので。球場の雰囲気が仙台育英の雰囲気だなぁってなっている時は何をやってもうまくいく。不思議なもので。そういう雰囲気をつくっているのはチアリーディングのみなさんの華やかさとか、そういうところで一体となって戦っていると思います。

 控えの選手がメガホンを叩く音、声は出せないですけど、祈る思いとか、そういうのが一戦ごとにどんどん大きくなっていって、学校以外の学校以外の地域のみなさんの思いがどんどん膨れていきました。準決勝を勝ち上がった時に僕に2000件くらいのメッセージが来て、「東北で一丸で勝ちましょう!」という雰囲気になった。決勝も不思議なもので、選手たちは頼もしくて、宮城大会の1回戦とほとんど変わらない雰囲気でやれました。まるで自分たちのグラウンド、まるで宮城大会があった石巻市民球場みたいな、そういうホームで戦えたような雰囲気があった。それって本当に応援のみなさんのおかげです。

 学校のみなさんが試合に集中しやすい環境をつくっていただいて、思いが重なって最終的に決勝戦に辿り着くことができました。仙台育英学園高校としては春も合わせて4度目の正直でした。東北地方としては13度目の正直です。13回も挑戦して、しかも107年間です。それだけ難しいことをやったんだなという実感が少しずつ選手にわいていると思います。その難しいことをやったのは18人のメンバーだけではなくて、控え選手や学校のみなさん、生徒会、吹奏楽部、チアリーディング、みんなで成し遂げたこと。僕たちは壇上に立って、祝ってもらっていますけど、本当にみんなで喜びを分かち合いたいと思っています。本当に心強い応援ありがとうございました。

 早いもので2週間後には春の選抜に向けた負けたら終わってしまう道のりが始まるわけです。長期滞在で疲れたと思いますけど、またみんなであの舞台に立って春も夏も戦えたらと思っています。本当にありがとうございました。

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