エンゼルスが球団売却へ モレノオーナーが声明発表「今がその時」 大谷への影響は…

[ 2022年8月24日 02:47 ]

エンゼルスのアート・モレノ球団オーナー
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 エンゼルスは23日(日本時間24日)、球団売却を検討していると発表した。

 アート・モレノ・オーナーの声明文は以下の通り。

 「20シーズンに渡りエンゼルスのオーナーであることは大変な名誉であり特権だった。球団として、ファンの皆様に手ごろな価格で家族向けの球場体験を提供する一方で、史上最高の選手たちを含む競争力のあるラインアップをそろえてきた。この難しい決断は完全に私たちの選択であり、熟考に値するものだったが、私と家族は最終的に今がその時だという結論に達した。このプロセスを通じ、わたしたちはファン、従業員、選手、ビジネスパートナーのために最善の方法でフランチャイズを運営し続ける」

 あわせて、エ軍は今回のプロセスのためにファイナンシャル・アドバイザーとして、「Gilatioto Sports Partners」を起用したことも発表した。

 モレノ氏は、アリゾナ州、カリフォルニア州など西部一帯に広告業を中心に各種事業を展開する大富豪で「熱心な野球ファン」として知られ、エンゼルスが2002年に球団史上初のワールドシリーズ制覇を果たした翌03年にオーナーに就任したが、以来、世界一には一度も輝いていなかった。

 オーナー就任後はジョシュ・ハミルトン、プホルス(現カージナルス)、レンドンらの大型補強を行ったが、中長期的なチーム強化という部分では成功とは言い難く、野球好きではあるものの、勝つための投資よりも集客やビジネス面に注力している経営方針が指摘されて久しかった。00年代後半は地区3連覇を果たすなど強豪球団だったが、近年は7年連続でポストシーズン(PS)進出を逃し、今季も地区4位に低迷してPS進出は厳しい状況だった。

 今後、注目されるのはチーム再建への道、そして2023年オフにFAとなる大谷の去就だ。米メディアによれば、今夏のトレード交渉では、ヤンキース、メッツ、ドジャース、パドレス、ホワイトソックスなど「12球団程度」が大谷の移籍交渉を持ちかけたが、最も難色を示したのがモレノ・オーナーだったという。

 大谷は今季で2年契約が終了。年俸調停の最終年でもあり、今季年俸550万ドル(約7億5000万円)は格安で、歴史的昇給になる可能性がある。エ軍と複数年契約を結ぶのであれば、メッツの右腕シャーザーの史上最高年俸4333万ドル(約59億2000万円)を上回る巨額契約も必至だ。

 大谷はかねてポストシーズン出場、そしてワールドシリーズ制覇を目標に置いており、補強への本気度も試されている。残留か、移籍か。移籍となれば、来春3月開催のWBC出場可否にも大きな影響を与える。このオフは大谷にとって大きな転換期を迎える可能性がありそうだ。

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